家庭内のさまざまな装置でデジタルコンテンツを共有できる環境の実現を目的とした業界団体、デジタルホーム・ワーキンググループ(DHWG)は10月7日、同団体の活動状況について紹介した。
DHWGは2003年6月、ソニーや松下電器産業、マイクロソフトなど国内外のデジタル家電・PC・モバイル機器メーカー17社が集まって発足した非営利団体。デジタルコンテンツを家電やPC、モバイル機器などで簡単に共有できるよう、相互接続性のためのガイドラインを作成することを目的としている。
現在ホームネットワークの分野には多くの企業が参入しているが、それぞれが独自の規格を採用していることから、異なるメーカー間の互換性は低い。このことが市場の成長を妨げているとDHWGの会長で米Sony ElectronicsのバイスプレジデントでもあるScott Smyers氏は説明する。
デジタルホーム・ワーキンググループ(DHWG)会長のScott Smyers氏 | |
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DHWGでは新たに規格を作るのではなく、すでにオープンスタンダードとして広く利用されている規格の中から選定し、設計ガイドラインを作成する。また、機器間の相互接続試験を行い、相互接続性が認められたものについてはDHWGの認定ロゴを発行するという。
DHWGは2004年3月までに第一弾のガイドラインを作成する。ここではメディアフォーマットやネットワークプロトコル、無線LANの規格などが盛り込まれる予定だ。このガイドラインを元に、2004年夏頃にはDHWG準拠製品が市場に登場する見込みという。
メディアフォーマットについては、静止画規格のJPEGとPNG、オーディオ規格のLPCM(2 channel)、ビデオ規格のMPEG2を実装すべき必須フォーマットとして規定する予定。さらに各企業が任意で実装するフォーマットとして、静止画規格のGIFやTIFF、オーディオ規格のAAC、AC-3、ATRAC3plus、MP3、WMA9、ビデオ規格のMPEG1、MPEG4、WMV9が盛り込まれる予定だ。なお、任意フォーマットを採用する場合、互換性を持たせるために必須フォーマットのいずれかに変換する機能を搭載させる必要がある。
そのほかガイドラインに盛り込まれる規格の候補としては、HTTPやIPv4、Ethernet、有線LAN方式のIEEE802.3uや無線LAN方式のIEEE802.11a/b/gなどが挙がっている。
現在DHWGには発足メンバー17社のほかに一般会員企業が25社参加している。さらに150社以上の企業が入会の問い合わせを行っているという。今後はメーカーだけでなく、コンテンツプロバイダなどの参加も働きかけていくとした。
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