サン・マイクロシステムズは10月7日、米Sun Microsystemsより先月17日に発表されたUltra SPARC IIIi搭載のエントリーレベルサーバおよびワークステーションの日本市場への投入を発表した。「今、各社のCIOはコスト削減が大きな課題とされている。本日発表する各製品は、同レベルの他社サーバと比べて最もコストパフォーマンスの高いものだ。もちろん、低価格を売りにしているデルよりも安い」と、米Sunのボリュームシステム・プロダクト担当バイスプレジデント、Neil Knox氏は語った。
今回発表された製品は、UltraSPARC IIIiが2個搭載可能なタワー型サーバSun Fire V250、同チップが4個搭載可能なラックマウント型サーバSun Fire V440、および1 CPU搭載のミッドレンジワークステーション、Sun Blade 1500の3機種だ。Sun Fire V440は価格が161万9000円からで、Knox氏によるとこの価格は「デルより約10%〜20%低価格」だという。Sun Fire V250とSun Blade 1500はそれぞれ48万5000円〜、44万9000円〜となっており、Knox氏は両製品とも同レベルの製品と比べて「最高の価格性能がある」と述べている。
4ウェイサーバの市場においてサンは、同社の既存製品である
米Sun Microsystemsボリュームシステム・プロダクト担当バイスプレジデント、Neil Knox氏
これからは「スループットコンピューティング」だ
今回の製品は、低価格のみならず「スループットコンピューティングのスタート地点を示す製品群でもある」というのは、サンのプロダクト・マーケティング本部本部長、山本恭典氏だ。同氏は、2年ごとに半導体の集積密度が倍増するというムーアの法則がこれまで順調に守られ、今後もさらにこの法則が続く一方で、メモリの性能は6年で2倍にしかならないことを指摘、「CPUの周波数とメモリの速度にギャップが生じ、いくらCPUの速さが倍になってもメモリの性能が変わらないため、待ち時間が半分にならない」という。今後、無線タグなどの普及で小ぶりのアプリケーションが増え、それぞれ多種多様の処理が要求されることが予想されるが、この解決法となるのがマルチスレッディング技術を元にしたスループットコンピューティングだと山本氏はいう。
「ひとつのスレッド(アプリケーション)がメモリの待ち時間に入った際、CPUが次のスレッドの処理を開始し、それが待ち時間に入った時に次のスレッドを受け入れる。このように時間をずらして処理をすることで、処理能力が高くなる。これをサンではCMT(チップマルチスレッディング)とよんでいる」(山本氏)。同氏は、サンのOSであるSolarisと、同社チップのSPARCはいずれも100スレッド以上を処理できるという実績があり、「これだけ多くのスレッドを処理できるのは、SolarisとSPARCの組み合わせだけだ」とアピール、本日発表の製品がいずれもこの組み合わせで、スループットコンピューティングの第一歩であることを示した。
同社代表取締役社長のDan Miller氏は、同社がこれからもテクノロジーに特化した企業としての位置づけを崩さないとし、日本での販売戦略としてはパートナーに任せるとしている。「(米SunのCEOである)Scott McNealyも、“市場にはそれぞれテクノロジー、サービス、ディストリビューションといったビジネスを行う企業が存在するが、このうち得意とするのはひとつの分野でよい。3つを全部やろうとすると中途半場になるだけだ”と語っている。われわれは年間20億ドルを開発予算としているテクノロジー企業である。これほどの予算を開発にあてているのは、他にマイクロソフトとインテルくらいだろう。今後もサンは、ディストリビューションの部分は信頼できるパートナーに任せ、テクノロジーに特化していきたい」(Miller氏)
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス