米Sun Microsystemsは、4wayサーバのSun Fire V480に搭載するプロセッサを高速化し、Intelチップベースのサーバに対抗する同社の取り組みを強化した。
Cherrystoneというコードネームを持つV480には、従来の900MHzのチップに代えて、1.05GHzのUltraSparc IIIプロセッサを搭載。同社では、この変更によって、同製品ラインの価格性能比が26%向上するとしている。
Sunは、米IBM、米Dell、米Hewlett-Packard(HP)と比べて、一番最後に、Intelプロセッサベースの汎用目的のサーバ製造に乗り出したという経緯がある。だが、2002年にIAサーバの販売を始めてからも、同社はいまだに自社製UltraSparcプロセッサを搭載したサーバの販売に力を入れている。
だが、Sunのローエンド向けUltraSparc搭載マシンでも、その他の2種類は、同じく競争の真っ只中にありながら、開発が遅れている。米Broadcomの子会社ServerWorksから提供されるはずチップセットが原因で、Sunでは7月に、V210およびV240という2wayサーバの出荷を7月もしくは8月に再開すると発表していた。
Sunは、Solaris OSとともに、サーバソフトウェア製品スイートのSun ONE(Sun Open Network Environment)を追加料金なしで提供することで、顧客を引きつけることを狙っている。同社は現在、あまり使われていないIAサーバ向けのSolaris上で同ソフトウェアスイートが動くよう作業を進めている。なお、IAサーバ上で動くLinux向けのSun ONEも、同様に準備中だと言う。
V480の価格は、1.05GHzのプロセッサを2基搭載し、メモリが4GBのモデルで1万9995ドル、プロセッサを4基搭載し、メモリが16GBのモデルは4万2995ドルとなっている。V480は、業界団体TPC(Transaction Processing Performance Council)が実施する性能テストTPC-Hで、Xeonプロセッサを4基搭載したDellやHPのサーバを破っている。価格9万4122ドルの同製品は、毎時2140クエリに処理速度を記録した。これに対し、8万9748ドルのDell製PowerEdge 6650では1984クエリ、9万9545ドルのHP DL580 G2では2106クエリだった。
だが、DellとHPのスコアは、2.0GHzのXeonプロセッサで測定されたものであり、両社ともすでにより高速な2.8GHzプロセッサ搭載モデルをリリースしている。また、1.05GHz UltraSparc IIIプロセッサも、同社製プロセッサで最速というわけではない。同じシステム内で複数のプロセッサ速度を混合できるSunのハイエンド向けサーバには、1.2GHzのプロセッサが搭載されている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス