携帯電話の呼出音に音楽などを設定できるNTTドコモの新サービス「メロディコール」が、サービス開始から3週間で30万契約となった。NTTドコモ クロスメディアビジネス部サービス推進担当課長の小桐康博氏が9月24日、モバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)主催のセミナーにおいて明らかにしたもの。
小桐氏によると、「サービス開始の初日に5万件の申し込みがあり、その後も平日・土日を問わず1日1万件のペースで伸びている」という。「今月末には35万契約を突破するのではないか」(小桐氏)
メロディコールは利用者が登録した相手が電話をかけてきた場合、呼び出し音の代わりに音楽や声などを流すことができるサービスで、ドコモが9月1日より提供を開始した。海外ではすでに韓国や香港で現地の事業者がサービスを提供している。小桐氏によると、韓国の3事業者を合計したサービス加入数は、サービス開始後約10カ月で約800万に上り、携帯電話利用者の約25%がこのサービスに契約しているとのことだ。
利便性には課題が残る
NTTドコモ クロスメディアビジネス部サービス推進担当課長 小桐康博氏 | |
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加入者数が順調に伸びているメロディコールだが、ユーザーの利便性という面では課題もある。音楽を聞かせる相手の電話番号を利用者が個別に登録しなくてはならず、1音源につき10人までという人数制限がある(音源は最大3つまで設定可能)。さらに現時点で、登録できる相手はドコモユーザーに限られている。
この点について小桐氏は、電話をかけた人が混乱する可能性を懸念したためだと説明する。「韓国ではサービス開始時に、『変な番号につながってしまった』『留守番電話になってしまった』と勘違いする問題が多発した。そのため、ユーザーに少し慣れてもらうことが必要だと考えた」(小桐氏)
サービスが普及し、ユーザーが混乱するような危険性がなくなれば、この制限もなくしていく予定だという。「『電話番号を設定するのが面倒なので、誰でもいいからかかってきたら音楽を聞かせるようにしたい』という声を多数いただいている。加入者が増え、サービスの認知度が上がれば制限を外していきたい」(小桐氏)
提供される音源はドコモが選ぶ
メロディコールは端末に音楽をダウンロードするのではなく、ドコモのネットワークサーバで音源を設定するサービス。そのため、音源はすべてドコモが提供する。この点が着メロなどとは違うところだ。「ドコモが内容を確認した上で、ドコモのサービスとして提供する」(小桐氏)。ドコモでは現在600種類の音源を用意しており、10月末には1000種類、年度末には3000種類を提供する予定だ。
メロディコールの課金体系は月額の定額課金方式を採用している。auが提供する「着うた」は1曲のダウンロードごとに課金する都度課金方式を採用し、レコード会社がコンテンツの価格を決められる点をアピールしているが、小桐氏は「着メロにしても、コンテンツの利用は月額課金が基本。顧客の利便性を考えて月額課金にした」と利用者のメリットを優先させたと語る。また、「都度課金では利用料が高騰しすぎる恐れがある。月額課金にすることで利用者の負担を抑える狙いもある」と話し、あくまで月額課金にこだわる姿勢を強調した。
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