メガピクセルカメラや指紋認証機能、QRコードリーダーなど、次々と新しいサービスを展開し、契約者数で首位の座を維持し続けるNTTドコモ。次はいったいどのような新サービスを考えているのだろうか。都内で開催中の「デジタル家電フォーラム2003」において、NTTドコモMM事業本部MM企画部 技術戦略担当部長の松木彰氏が9月3に行った講演の内容から、その一部が明らかになった。
2005年には下り14.2Mbpsのサービスが登場
松木氏が明らかにした新サービスのうち、もっとも直近に開始されるサービスはFOMAの高速化だ。現在、FOMAの通信速度は上り64Kbps、下り384Kbpsだが、松木氏によると「上下ともに384Kbpsのデバイスが近々提供される」という。具体的な日程は明らかにしなかったが、9月中、もしくは10月に発表される見込みだ。「ブロードバンドとは言えないが、メールとブラウザの閲覧がさくさくできるようになる」(松木氏)
さらに2005年初頭には、下り最大14MbpsのHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)というサービスが提供される予定だ。これはauが今秋より提供を開始する、下り最大2.4MbpsのCDMA2000 1xEV-DOを意識したもの。HSDPAはEV-DOと同様に、ADSLのようなベストエフォート型のサービスになるという。「実際の通信速度は2〜3Mbpsになるのではないか」(松木氏)
携帯と無線LANの複合サービス
NTTドコモMM事業本部MM企画部 技術戦略担当部長の松木彰氏 | |
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ただし、いくら携帯電話の通信速度が高速化しても、限界があるとも松木氏は指摘する。「500Mバイトから1Gバイトのコンテンツをダウンロードするのは物理的に無理がある」(松木氏)。そこで検討されているのが、無線LANとの複合サービスだ。「ホットスポットや家の中、オフィスなど携帯電話を数時間置いておけるような場所では、無線LANを利用してコンテンツをチャージしても良いのではないか」(松木氏)。また、価格についても「自分の個人的な感覚として、1つのコンテンツにかけられる通信料は100円ぐらいが限度ではないか」(松木氏)として、100円以内で1つのコンテンツをダウンロードできるように検討しているという。
2、3年後には使い捨て携帯電話が登場
松木氏は現在の携帯電話が発展した、将来の端末像についても触れた。松木氏は、携帯電話の機能が全てソフトウェアで実現するようになると、今後ハードウェアはデザインで選ばれるようになると予想する。さらにUIM(User Identity Module)という契約者の情報が入ったICカードが普及し、利用者が簡単に端末を変えることできるようになれば、「2、3年後には使い捨て携帯電話が登場する」(松木氏)という。
また、料金体系についても「今までのように電車のような均一料金では満足感が得られない」(松木氏)として、今後は様々な料金体系を用意するという。具体的な内容は明らかにされなかったが、飛行機のビジネスクラスのように料金の差をつけ、その分満足度の高いサービスを提供したり、ホテルのように利用者の少ない時間帯は料金を無料、もしくは非常に安い料金にして、その時間にコンテンツをダウンロードしてもらう、といったことを考えているという。
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