NECは9月9日、赤外線機能のついた携帯電話を会員証やチケット、ポイントカードとして利用するための基盤ソフトウェアを製品化したと発表した。商品名は「LightHolder」で、レンタルCD店などの店舗やチケット販売業者などに向けて同日より販売を開始する。
LightHolderを導入した店舗では、POSレジなどの店頭の端末と顧客の携帯電話を赤外線で通信させることで、会員証やポイントカードとして利用できるようになる。チケットとして利用する場合には、業者があらかじめオンライン上でチケットを販売し、チケット購入者はコンサート会場や映画館などに入場する際に携帯電話をかざして認証を行う。
LightHolderは携帯電話のjavaアプリを利用し、1つのアプリケーション上で会員証やチケットなど複数の企業のサービスが利用できる点が特徴。店舗に設置した端末に携帯電話をかざし、スタートボタンを押せば自動的に利用するサービスが選択されるため、顧客がサービスを選ぶ手間もかからないという。
LightHolder利用時の携帯電話の画面。端末にかざして「スタート」を押すと自動的にサービスが選択される | |
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LightHolderのもう1つの特徴は、店舗に設置した端末と携帯電話が通信する際に、店舗側から顧客に対して広告やクーポン、音楽データなどのプロモーション情報を送れる点だ。通常プロモーションにはEメールを利用することが多いが、赤外線通信であれば顧客のパケット料金がかからないというメリットがある。
NECインターネットソフトウェア事業部長の米田潔氏は「QRコードでは携帯電話が情報を読みとることしかできないが、赤外線であれば情報が双方向にやりとりできる」と説明し、赤外線のメリットを強調した。
NECは2004年1月より、NTTコミュニケーションズと共同で、LightHolderを利用したポイントサービスの商用化実験を秋葉原にて行う。NTTコミュニケーションズがLightHolderの携帯電話用エンジンのダウンロードセンターを提供するほか、店舗側にLightHolderを利用するための赤外線サービスアダプタを提供するという。さらに、NTTコミュニケーションズが携帯電話を利用したクレジット決済サービス「モバイルペイメントサービス」の商用化実験を10月より開始することから、モバイルペイメントサービスとLightHolderのポイントサービスを組み合わせたサービスについても検討を進めているという。
LightHolderの提供価格は120万円から。9月30日より出荷を開始する。NECでは今後3年間で600ユーザーへの販売を見込んでいるとしている。
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