米Apple Computerから新しく出たPower Mac G5は、たしかに最速のMacintoshかもしれない。しかし、これまでマシンとは違い、MicrosoftのWindowsソフトを稼動できなくなっている。
これはMac上でWindowsを稼動するための代表的なエミュレーションプログラム、Virtual PCが、64ビットG5プロセッサをサポートしていないためだ。今年2月に米ConnectixからVirtual PCを買収したMicrosoftの話では、この問題はすぐに修正されるものではないという。
Microsoftの関係者が27日に明かしたところでは、この問題の解決は「Virtual PCの次の(完全)バージョンになる」という。Virtual PCの次バージョンは1年以内にリリース予定で、またほぼ同時期にMac版Officeの次バージョン、Office 11も発売される予定だと述べた。同社は今月、同社がOffice 11を開発中だと述べたが、発売時期についてはコメントしていなかった。
Microsoftは、「2カ月ほど前に」G5のテストマシンを最初に受け取ったとき、Virtual PCとG5の問題を知ったと話している。同社では次バージョンの発売前に、暫定的にG5互換用のアップデートを提供する計画はないという。
G5ベースのMacでVirtual PCを稼動させようとすると、「Virtual PCはG5チップをサポートしていません」という内容のエラーが出て、MicrosoftサイトのMacユーザー向けページに転送される。
なぜ互換性がないのかについて、Microsoftは、Mac用Virtual PCの現行バージョンでは、Pentiumチップのエミュレート時に、Macの性能を向上させるのに、Power G3およびG4プロセッサの「擬似リトルエンディアンモード」と呼ばれる機能を利用しているためだと説明している。
「新しいG5プロセッサはこの機能をサポートしていないため、Macプログラム用(Virtual PC)の大部分を書き直し、G5のCPUで正しく機能するか慎重にテストする必要がある」(Microsoft)
なお、ほとんどのMac用プログラムは、修正なしでG5上で稼動できる。ただし、開発者が既存のソフトウェアを調節を行ったりコンパイルし直せば、G5チップの性能を最大限に引き出せるようになる。米Adobe Systemsはすでに、同社の画像編集ソフトウェアPhotoshopで、G5プロセッサを活用するためのアップデート(プラグイン)をリリースしている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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