米Apple Computerは、同社が6月23日に発表した新型Power Macについて、「世界最速のパーソナルコンピュータ」と断言しているが、これに対し、アナリストや批評家から疑問の声が挙がっている。
Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobsは、同日の開発者向け定例会議で、アルミニウム製のケースに収められたPower Mac G5を発表した。数々の業界ベンチマークで、Power Mac G5がPentium 4やXeonなどのIntelプロセッサを搭載した、動作周波数3GHzのDell製マシンを上回ったことを示し、さらにPhotoshopなどのアプリケーションの動作を比較して、Power Mac G5がDell製マシンより高速であることを見せつけた。
以前と比べて大幅に改良された点については多くの称賛を浴びた新型Power Macだが、一部では「SPEC(Standard Performance Evaluation Corporation)のテストでAppleが使用した、Dell製マシンの構成に問題があった」という批判もある。
今回のベンチマークテストを行った米Veritestは、Power Mac G5とDell製マシンでともにGCCコンパイラを使用した。Dell製マシンに搭載したOSはLinuxだったが、これについて批評家らは、「DellのマシンでOSにWindowsを使用し、コンパイラはGCCではなく、Intelプロセッサ向けに最適化されたものを使用すれば、Dellの方がかなり高いベンチマーク結果となる」と説明している。
米Gartnerのアナリスト、Martin Reynoldsも「実際のところ、公平なテストだったとは言えない」と語る。「Dell製マシンは、Appleのベンチマーク結果を30〜40%上回る能力を持っている。ベンチマーク結果がこの能力を示していないのは、AppleがVeritestに、最適とは言えない条件でDellマシンをテストさせたからだ」(Reynolds)
これに対して、Appleのハードウェアマーケティング部門バイスプレジデント、Greg Joswiakは「SPECではハードウェアとコンパイラを組み合わせて測定する。ハードウェアの比較を行うには、MacとDellマシンで同じコンパイラを使うのが理にかなっている」と語る。
プロセッサ技術専門誌Microprocessor Reportの編集長、Peter Glaskowskyは、「Dell製マシンでIntelプロセッサと米Microsoftのコンパイラの組み合わせを使用すれば、LinuxとGCCコンパイラの組み合わせよりは良いベンチマーク結果となっただろう」と話している。しかし同氏は次のようにも付け加えている。「IntelのプロセッサだってSPECテストで不相応な好結果を出すことがある。Intelが自社コンパイラをSPEC向けに最適化しているからだ」(同氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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