中国政府は、ソフトウェアの購入に関して新しい方針を打ち出し、次の更新期からは各省庁が購入できるソフトウェアを国産のものに限定する。
この動きは、米Microsoftがデスクトップコンピュータ向けソフトウェア市場を独占している状況を打破することを狙ったもので、中国政府の使用する数十万台のコンピュータから、数年間でWindowsオペレーティングシステムとOfficeスイートを排除する。
中央人民政府購買局のGao Zhigangがマスコミに語ったところによると、新政策は年末までに発効するという。
Gaoは、各省庁に対して、中国産のオフィス生産性向上スイート「WPS Office 2003」へのアップグレードを推めるために開かれた特別国会で、政府は今後国産のオペレーティングシステムとアプリケーションがプレインストールされたハードウェアしか購入しないことを伝えた。例外の認可を得るには、特別な申請を出す必要がある。
この新たな方針により、国産のオフィス向けソフトウェアを使用する政府関係者の割合は、現在の約3分の1から最終的には100%に増加すると見込まれる。Gaoによると、新方針は国内ソフトウェア産業の支援と国家情報の機密保持が目的だという。
この新政策は、少なくとも2010年まで実施される。中央人民政府によると、この保護政策は標準的な措置であり、他の国々を差別するものではないという。但し、中国はWTO(世界貿易機構)加盟国であり、今回の新しい禁止政策が同機構の条項に違反するかどうかは不明である。
今回の禁止政策は、中国による西側諸国のテクノロジーに対抗する措置の一環として打ち出された。中国のソフトウェアベンダーKingsoftは、かつて中国語ワードプロセッサ市場の90%を確保していたが、1990年代初期にMicrosoft Wordが参入すると、マーケットシェアのほぼすべてをWordに奪われてしまったという例もある。
専門家によると、中国市場でMicrosoft Officeの独占状態に対抗できる製品は、WPSシステムだけだという。
さらに、国産ソフトウェアを保護するという商業的な理由のほかにも、セキュリティに対する懸念がある。中国は、Red Flag Linuxオペレーティングシステムを公式に支援しているが、これはオープンソースのコードなら、内部を調べて、他の国がスパイ活動の目的で仕掛けたセキュリティホールがないかどうかをチェックできるため、信頼できるとの理由による。この主張に対して、MicrosoftではWindowsのソースコードに政府の検査権を認めたり、中国専任の最高経営責任者(CEO)を新たに任命するなど、支持獲得に躍起になっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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