米Microsoftは、Windowsのソースコードを開示するプログラムに中国政府が参加することを米国時間2月28日に発表した。
Microsoftは、Windowsのセキュリティに関する各国政府の懸念を軽減する目的で、政府向けのソースコード開示プログラム、Government Security Program(GSP)を1月に立ち上げた。中国政府を代表するChina Information Technology Security Certification Center(CNITSEC)が同プログラム参加の署名を行った。
Microsoftの会長兼チーフ・ソフトウェア・アーキテクトのBill Gatesによると、中国政府は調査したいソースコードをすべて閲覧できるようになるという。中国政府と軍部は以前、Microsoftの競合OSであるLinuxの方が好ましいと述べていた。Linuxはソースコードが公開されているというのがその理由だ。中国などの各国政府は、OS内部の仕組みがわからないと、機密情報が漏洩するセキュリティホールが組み込まれているのではないかと懸念するのだ。
CNITSECディレクターのWu Shizhongは、「同国政府にとってITセキュリティは重要問題だ」と強調する。「MicrosoftのGSPは、適切な方法でソースコードや技術情報へのアクセスを提供してくれる。Microsoftは製品のセキュリティについて、われわれの理解を深めさせてくれる」(同氏)
中国は自国のソフトウェア業界発展とセキュリティ保持のため、独自のLinuxディストリビューションRed Flag Linuxのほか、MicrosoftのWindowsやOfficeと競合するオフィスソフトウェア、RedOfficeを開発している。
北京を2日間にわたって訪問したGatesは、中国政府のプログラム参加について、「今回の合意によりMicrosoftと中国政府の関係が著しく前進した」と喜びを表現している。
またGatesは、江沢民国家主席に会見した際、今回の契約やMicrosoftの中国への投資について説明した。江沢民主席は、Microsoftをはじめとする世界的な企業が中国への投資や成長を生み出すことに歓迎の意を表したという。
なお、ロシア、北大西洋条約機構(NATO)、英国政府なども、すでにGSPへの参加を表明している。Microsoftはこの他にも、30以上の国や団体と参加交渉を進めている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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