米EMCは、同社の大企業向けデータストレージシステムについて、最上位機種の容量を2倍に増強した。
EMCは、同社のSymmetrix Direct Matrix Architectureストレージシステムの新バージョンで、84テラバイトのデータを収容能力を持つSymmetrix DMX3000を30日(米国時間)に発表した。今回発表されたDMX3000は、これまでのDMXラインで最大の容量を誇っていた42テラバイトのDMX2000システムと並行して販売される。
同社はまた、エントリーレベルのSymmetrix DMX800システムの新バージョンも発表したが、こちらは旧バージョンに比べ30パーセント価格を引き下げた。同システムには最大17テラバイトのデータを収納できる。
EMCは、2機種の新しいDMXシステムの発表で、企業向けのネットワークストレージ製品ラインを完成させたことになる。30日午前に行われたウェブキャストのなかで、EMCの幹部は、DMX3000システムの発表により、大口顧客はデータ記憶容量をさらに増やし、より迅速にデータを検索できるようになり、いっぽう低価格のDMX800によって、中小ユーザーはより簡単にSymmetrix製品ラインにアップグレードできるようになると説明した。
調査会社の米IDCは、第1四半期のストレージ売り上げランキングで、EMCが第3位に入ったとしている。EMCにとって、Symmetrixシステムのアップデートは、ハードウェアとストレージマネジメントソフトウェアの両面で、同社の地位の改善を狙った一連の戦略の一つといえる。
Symmetrix DMX2000が2月に発表されたとき、アナリストはEMCが競合メーカーに並ぶ記憶容量を提供していないと指摘した。73.5テラバイトの有効ストレージを持つDMX3000はこの問題を解消し、ギャップを埋めたことになるが、日立のような競合メーカーはそれを上回る大型システムを提供している。ちなみに日立のシステムは、128テラバイトの使用可能な記憶空間を装備している。
EMCは、コンピュータをSymmetrixストレージシステムに接続する方法についても、新たに何通りかの方法を追加した。同社は、すべてのSymmetrixシステムに高速データインタフェース「Ficon」を装備したが、これはストレージシステムをメインフレームコンピュータにつなげるために使われているもの。さらに、同社のシステムにiSCSIも統合した。この相互接続インタフェースによって、データセンターの外に置かれたサーバは、高価なFibreチャンネルリンクではなく、Ethernetを利用して、Symmetrixシステムにアクセスできるようになる。データの複製を作成する際に使われる、Gigabit Ethernetのサポートも今度から追加された。
Symmetrix DMX800の価格は28万4000ドル、Symmetrix DMX3000は170万ドルからとなっている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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