韓国の電子機器大手Samsungは、ハンドヘルド機用プロセッサの速度で米Intelを抜き去り王座に着いた。
Samsungは、コアスピード533MHzという世界最速のモバイルCPU(中央処理演算ユニット)、S3C2440を開発したと発表した。
S3C2440はARM920Tマイクロプロセッサを使用している。ARM920Tは、英ARM Holdings考案のチップ設計に基づいたマイクロプロセッサで、わずか1.3ボルトの電圧しか必要としない。
新CPUはフラッシュメモリを統合し、カメラとの接続インターフェースやメモリカード拡張、USB接続などのハンドヘルド向け機能をサポートしている。
S3C2440は、米MicrosoftのWindows CEやPalm OS、Symbian、Linuxなどの主要なオペレーティングシステム(OS)に対応している、とSamsungは語った。
同社では今後、このプロセッサの400MHz版と300MHz版も発売し、今年第4四半期には量産に入る予定だ。Samsungの現行の266MHzモバイルCPUは、Hewlett-Packard(HP)のiPaq H1940などの機器に使用されている。
この発表前までは、IntelのXScaleベースのハンドヘルド用プロセッサPXAが、約400MHzで最速とされていた。Intelは、PXAよりもかなり高速とされる新プロセッサ、Bulverdeを開発中と報じられており、Samsungのリードも長くは続かない可能性がある。
IntelやSamsung、米Motorola、米Texas Instrumentsなどのハンドヘルド機用チップメーカー各社は、モバイルプロセッサに、需要の高いマルチメディアアプリケーションのサポートを数多く詰め込もうとしている。スマートフォン(電話・PDA統合機器)市場でも同様の傾向が見られ、ユーザーが通話しながらアプリケーションを切り替えられるマルチタスク機能をサポートするため、高速なプロセッサが求められている。
市場調査会社の米Gartner Dataquestの最近の報告によると、全世界でのアプリケーション/マルチメディアプロセッサ市場の集荷量は、今年2500万ユニットに達し、2007年には1億7000万ユニットに成長する見込みだという。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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