米Apple Computerは、今月末に開催される同社の開発者会議「Worldwide Developer Conference(WWDC)」で、高速チップ間通信技術「HyperTransport」を今後開発するコンピュータにどのように組み込んでいくかを語る予定だ。
情報筋によると、Appleはデスクトップタイプの新型Macintoshに搭載されるチップセットを構成する2基のプロセッサ間の高速リンクとして、HyperTransportを使用する予定という。チップセットはコンピュータ内部の各種機能を管理するチップを複数まとめたもの。
AppleはHyperTransport標準を推進する複数の企業が設立したHyperTransport Technology Consortiumの設立メンバーの1社。ほかのメンバーにはAdvanced Micro Devices(AMD)、Cisco Systems、Sun Microsystemsなどが名を連ねる。Appleはこの件に関してのコメントを拒否している。
HyperTransport 1.0は、構成によって6.4ギガバイト(GB)から最大で12.8GBのデータ転送速度を実現する。この速度は、大半の既存のチップ接続技術を上回る。データ転送速度が上がればプロセッサ全体の機能向上につながる。AMD幹部、ならびにほかの同社関係者は、HyperTransportリンクは同社がOpteronプロセッサの機能向上に成功した要因の1つと述べている。
Appleは、6月23日からサンフランシスコで開催されるWWDC会議で、デスクトップPCの新機種を発表すると見られている。また同社は、今回のHyperTransportの組み込み以外にも、新機種について多くの発表を行う予定。
Appleでは、すでに同会議で、Mac OS Xの新版「Panther」を発表することを明言している。
また情報筋によると、Appleは同会議でIBMの「PowerPC 970」プロセッサの採用計画についても議論する可能性があるという。このPowerPC 970プロセッサは、標準的な32ビットソフトに加え64ビットソフトにも対応する。64ビットコンピュータを使用する利点の1つは、32ビット型に比べはるかに多くのメモリが使用できることだ。
IBMは、昨年開催されたMicroprocessor Forumで、PowerPC 970プロセッサの設計を発表し、今年中に同チップを発売する予定と述べた。すでに同社では、このチップを搭載したサーバの開発に取り組んでいる。一方、Appleもいずれ同プロセッサを採用するだろう、とIBMに近い情報筋は語っている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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