米Oracleが米PeopleSoftの公開買付け提示額を、1株あたり19ドル50セントに引き上げた。これにより、ソフトウェア業界で激しい議論を巻き起こしている今回の問題で、PeopleSoftの評価額が63億ドルに達するという展開を見せている。
Oracleは同時に、PeopleSoftとJ.D. Edwards(PeopleSoftが買収計画を発表したアプリケーションソフトウェアメーカー)に対する提訴にも踏み切った。
アナリストや業界の観測筋はこれまで、PeopleSoftの評価額を51億ドル(1株あたり16ドル)とするOracleの当初の提示額を、驚くほど低いとしてきており、この動きは予想外のものではなかった。
OracleのCEO(最高経営責任者)Larry Ellisonは、米国時間の18日に発表されたプレスリリースの中で、提案の承認には金額の引き上げが必要だとするPeopleSoftの複数の多数派株主と同社とが、話し合いを続けていたことを明らかにしている。
「OracleはPeopleSoft買収の意欲を失っておらず、同社を所有しているわけではない経営陣が、自らの支配力維持を狙って繰り出す策略に、買収を邪魔されるつもりはない。PeopleSoftの幹部は、Oracleは買収後にPeopleSoft製品を切り捨てると、皆に信じ込ませたがっているようだが、実際はそれと反対で、OracleはPeopleSoftの顧客および製品を、今後何年間にもわたって完全にサポートするつもりである。顧客を満足させることが、今回の買収を成功させるためのカギである」(Ellison)
Ellisonは先に、今回の買収提案がまとまった場合、OracleがPeopleSoftの製品ラインを廃止する考えを明らかにしていた。これに対し、PeopleSoftは顧客を安心させるべく、CEOのCraig Conwayによる書簡の送付、広告の展開、そして契約への価格保護項目の追加などを行っている。
さらに、PeopleSoftは18日、米国トヨタ、Nextel Communications、University of Massachusettsをはじめとする顧客10社/校が、同社を支持しているという新聞広告を展開しはじめた。これらの顧客のコメントは、大半がOracleに対して非常に批判的で、なかにはOraclesがPeopleSoftを排除する「企てに失敗した」とまで言及したものもある。
いっぽうOracleは18日に、PeopleSoft、同社取締役会、そしてJ.D. Edwardsを相手取り、「PeopleSoftの株主が、Oracleによる株式公開買付け提案を受け入れることに対して、これを邪魔しようとした」として、同デラウェア州で提訴したことも明らかにした。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」