Microsoftは27日、同社が今夏発売する企業向けインスタントメッセージ(IM)ソフトウェアに「Office」のブランド名を追加した。IMソフトウェアを企業向け製品として、強くアピールする狙いがあると見られる。
同社によると、新IMアプリケーションの名称はOffice Real-Time Communications Server 2003になったという。同社が製品名をReal-Time Communications Server 2003と発表してから、2カ月近く経ってからのOfficeブランド名追加となる。このソフトウェアは、Greenwichというコード名で開発されていた。
Real-Time Communications Server 2003には、社内インスタントメッセージの利点を企業に説得するという重要な役割がある。Microsoftは、セキュアなIMクライアントを、すでに同社製サーバソフトを使用している企業に販売しようとしている。
企業向けインスタントメッセージ市場は、IBMやSun Microsystems、America Online、Yahooなど大手ハイテク企業がシェア獲得にしのぎを削る、新たな熱い分野となっている。
大手各社が企業向けIMに関心を寄せているのは、IMが職場で草の根的に普及していたことに由来している。IMでは、ユーザー同士がリアルタイムにテキストメッセージをやり取りできるので、社員が仕事上の連絡を取る際によく利用されるようになった。業界はIMの有用性を認めながらも、通信フローのセキュリティ管理という非常に困難な問題にぶつかっていた。
消費者向けIM市場で、何億もの無料ユーザーを抱える大手のAOLやMicrosoftのMSN、Yahooなどは皆、企業向けIM製品をリリースしている。またMicrosoftやIBM、Sunなど主要ソフトウェアメーカーも、顧客企業の技術部門とのコネを利用して自社製品を販売しようとしている。
MicrosoftにとってのReal-Time Communications Serverの狙いは、単に企業が社内IMネットワークを構築することだけではない。会長Bill Gatesをはじめとする同社幹部は、Real-Time Communications Serverをインターネット電話やテレビ会議といった通信機能のプラットホームとして売り込んでいるのだ。同社はReal-Time Communications Serverが、パソコンと電話の橋渡し役となるよう期待している。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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