2009年秋に判明した事実を強化する調査結果として、iSuppliは、2009年を通じた世界のPC市場リポートを発表し、出荷台数で世界第2位のPCメーカーの座をめぐって、AcerがDellを激しく追い上げていることが示された。
Acerは2009年中に約3850万台のPCを出荷し、前年比で21%の増加となった。同社の市場シェアは、Dellよりわずかに低い12.7%まで拡大したことが、iSuppliによって米国時間3月10日に発表された調査結果で明らかになった。Dellの2009年中のPC出荷台数は約3990万台で、前年比9.9%減となったものの、市場シェアは12.9%だった。
iSuppliによれば、Acerは実際、2009年第4四半期(10-12月期)にはPC出荷台数でDellを追い越し、Dellの市場シェアは12.2%だったのに対して、Acerは13.4%を占めるに至った。だが、この変化は第4四半期に生じ始めたことではない。IDCが10月に発表した調査リポートでは、2009年第3四半期(7-9月期)に、初めてAcerがDellを追い抜いたことが示された。
Acerの成長速度は、世界上位5社のPCメーカーの中で最速となっており、とりわけノートPCの年間出荷台数は前年比28%増と大きく伸びたと、iSuppliは伝えている。
iSuppliのコンピュータプラットフォームリサーチ担当プリンシパルアナリストのMatthew Wilkins氏は声明で、「2009年のAcerによる出荷の約80%は、ノートPCが占めている。これにより、Acerは低迷するデスクトップセグメントへの進出を抑えつつも、急速に成長するモバイルコンピューティングセグメントで売り上げを伸ばすことに成功している」と述べた。
こうした勢いに乗り、Acerは、さらなる劇的な変化も生じる可能性を予期している。Acerの創設者であるStan Shih氏は1月に、低価格PCが主流となりつつあるため、Dellのような企業にとっては厳しい時期を迎えることになるだろうと語った。Shih氏は台湾の新聞社に対して「米国のコンピュータブランドは、ちょうど米国のテレビブランドに生じたように、今後20年間で消え去ってしまうかもしれない」とまで述べた。
デスクトップ市場は業界全体で低迷が続いてきたものの、Acerは比較的に好調だった。AcerのデスクトップPCの出荷台数は、2009年に前年と変わらない数字となったのに対して、市場全体では前年比で15%の減少となった。
上位5社のPCメーカーの中で、2008年に続いてトップの座を守ったのはHewlett-Packard(HP)で、約5960万台を出荷して19.7%の市場シェアを確保した。また、第4位のLenovoは2009年中に8.2%、第5位の東芝は5.1%の市場シェアを占めた。
全体的に見るならば、経済不況にもかかわらず、世界のPC市場は2009年に成長を遂げた。PCの年間出荷台数は2009年に3億230万台となり、前年の2億9920万台から1%増加している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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