「Wolfram|Alpha」が初公開されてから1年が経過したが、世界はまだそれを受け入れる段階に達していない。
Googleが成功しているにもかかわらず、インターネット検索はもう解決済みの問題だと主張する人は、ほとんどいないはずだ。インターネット上でのコンテンツ共有方法は急速に進化しているため、そうしたコンテンツを発見して提示する優れた方法は、これからもずっと歓迎され続けるだろう。
Wolfram|Alphaはインターネット検索について、間違いなくこれまでとは異なる考え方を提示している。同検索エンジンはコンピューテーショナルクエリに大きな重点を置いている。そして、単にウェブ上に公開されているものを何でも提示するのではなく、検索結果を監修するというWolfram|Alphaの手法は、同検索エンジンの検索結果の方がリンクの一覧よりも信頼性が高い可能性があることを意味している。
しかし、その戦略は(研究者や専門職の人にとっては有用かもしれないが)一般の人々の共感を得られていない。comScoreはここ1年間にwolframalpha.comへアクセスしたユニークユーザー数について調査を行ったが、それを見ると、2010年4月に同サイトにアクセスしたユーザーの数が2009年5月時点よりも減少していることが分かる。この2009年のトラフィックが、好奇心やメディアの注目によって増幅されたものなのは間違いない。使用率は2009年晩夏に底を打った後、上昇に転じているが、検索プロバイダーとしてのWolfram|Alphaは、comScoreの眼中にさえない。
しかし、博士号を持たない人々の間でのWolfram|Alphaの評判を高めるかもしれない変化が訪れようとしている。Wolfram|Alphaはホームページの刷新を計画しており、スポーツや音楽、健康情報、さらには同社独自のローカルマップといった、ポップカルチャー寄りの情報に関するデータを追加する予定だ。
Wolfram|Alphaの親会社であり、有名な(そして利益も上げている)ソフトウェア「Mathematica」のメーカーでもあるWolfram Researchの創設者Stephen Wolfram氏は、「われわれが作ろうとしているのは、人々が入力する言葉を理解できるものだ。われわれは、そうしたユーザー全員の声に耳を傾けなければならない」と述べる。
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