当初はそれがフラストレーションの原因だった。Wolfram|Alphaがローンチされたとき、同サイトには、専門家が精査し、承認したコンテンツが十分に揃っていなかった。この1年間で、Wolfram|Alphaは同サービスを通して利用できる、監修済みの情報の量を2倍に増やしている。しかしWolfram氏は、同社が2009年春、実用レベルよりも少ない情報量でローンチすることと、検索クエリを洗練するのに人間によるインプットが必要なこととの間で、難しいジレンマに直面していたことを認めた。
Wolfram|Alphaがサービスとして成長するためには、数学に興味のある研究者以外のユーザーを集める必要がある。
そこで、1周年を迎えたWolfram|Alphaはコンテンツを拡充した。ローカルストリートマップが同検索エンジンで利用できるようになるほか、(おそらく、マップほど便利ではないが少しクールな)宇宙天気情報も公開される予定だ。
先述のポップカルチャー関連のデータは、以前よりも包括的なものになる。おそらく、野球を研究している人は、同サービスを娯楽というよりも、むしろツールとして利用できるようになるだろう。Wolfram|Alphaはギャンブルをする人が自分のオッズを計算するのを支援する機能も追加する予定だ。ポーカープレーヤーはポーカーで最も悪い手(もちろん、スーツが揃っていない7、5、4、3、2)を引く確率は2548分の1だということを確認して、安心するだろう。
Wolfram|Alphaは、ユーザーが最初に入力したクエリが少数、または0件の検索結果を出力した場合に、代替クエリを提示することによって、ライバルの従来型検索エンジンからページを借用することも決めた。同社はそれを「nearest(最も近い)」クエリと呼んでいる。これは、Googleの「Did you mean....(もしかして:〜)」リンクに似ている。
また、もっと多くのモバイルユーザーに使ってもらうことを期待して、Wolfram氏は、Wolfram|Alphaの「iPhone」アプリケーションの極めて高い価格(当初は49.99ドルだった)が現行価格の1.99ドルに据え置かれることを残念そうに認めた。
「当初の価格に対して、いくつかの反応があった。一部の開発者は、便利なアプリケーションの価格として実際にかなりの金額が設定されている、と言っていた。一方、『頭がおかしいのではないか』と言っていた人々もいた。おそらく、後者のグループの方が正しかったのだろう」(Wolfram氏)
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