携帯音楽プレーヤー市場にはもはや論理は通用せず、Appleが作ったものだけが成功する市場になっている。しっかりとしたライバルは多数登場しているが、いずれも広まるに至っていない。どうやら、Microsoftの「Zune」も市場を追われることになりそうだ。
GameStopによると、同社は消費者の需要の低さからZuneのストアでの販売を停止するという。だからといっておそらく読者の99%にはなんら問題にならないだろうが、GameStopがZuneを見捨てるということは、Microsoftのメディアプレーヤーが退場への道をたどりはじめたことを意味している。
GameStopの広報担当は「Zune分野からの撤退を決定した。当社が予想したような人気を得られなかったこと、(さらに)当社の商品構成に適合しなかったことがその理由だ」と述べている。
Zuneを店頭から撤去するというGameStopの決断は、Microsoftが200万台以上のZuneを売り上げ、ほかのライバルも果敢に闘っているという事実があるにもかかわらず、生き残れる製品は「iPod」だけだという意見が小売り業者のあいだに優勢になってきていることを反映している。
では、どうなのだろう?考慮にたる携帯音楽プレーヤーはiPodシリーズしかないというのは、本当に正しいのか?じつはその通りなのだ。
悲しいことに、現在の状況でiPod以外のプレーヤーがうまくやれる実際的な見込みは、まずありそうにない。Appleは現在の製品群で市場の大部分を支配しており、他社がそこに分け入って、これまでずっと続いてきた状況を変えてしまえるとは考えられない。
これこそおそらく、われわれが直面している最大の問題点なのだろう。現在の携帯音楽プレーヤー市場はきわめて偏っており、Appleが儲かって笑いが止まらない状況にいる一方で、大半の企業は要するに、2位の座を得ようとしてお互いに最良の機能をコピーしあっている。
Appleは当初から、他社がわかっていないことを理解していた。ユーザーが求めているのは、きちんと機能する製品であるのはもちろんのこと、デバイスに曲を入れるのに、なんだかんだとプログラムを立ち上げる必要のない、ユーザーにとってシンプルなソリューションを提供する製品だということだ。そして、競合他社のなかにはこれを認めたくないところがあるかもしれないが、すべての消費者にとって最初の、そして言ってしまえば唯一本物の、使い勝手のいいソリューションがAppleだった。
これから先、Appleがこの分野をリードするという事実に議論の余地はないが、Appleが永遠にトップであるとは言い切れない。ウォークマンがそうであったように、まったく新しい何かが登場し、携帯音楽プレーヤーのリーダーの地位を奪い取る可能性を、誰が否定できるだろう。私見だが、その時期は考えられているより早く訪れるかもしれない。
しかしそれまでは、iPodが完全に支配し、Zuneのようにデバイスとして価値がある製品であっても生き残れる可能性がほとんどない市場は変わらない。
こんな競争は終わりにして、何か新しいことを試みるべきだ。さもないとわれわれは、同じデバイスに退屈なアップデートを繰り返しながら、革新的なプレーヤーの登場を渇望する心を精いっぱいなだめるほかない状況から抜け出せない。今、そんな革新的なデバイスがすでにあるなら、ぜひ教えてほしい。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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