Microsoftはその音楽戦略において、ターニングポイント、つまり、問題があったことを認めるという点に到達した。
2006年に「Zune」の発売を発表した際、Microsoftは、「Windows Media」テクノロジをベースに互換性のあるデバイスとサービス同士の融合を目指す「PlaysForSure」プログラムについて、終了するのではないかという見方を否定していた。
だが、明らかに悪い予兆はあった。
しかし、Microsoftを囲む状況ははっきりしないものだった。Microsoftは「Windows Vista」でサポートされることが決定していた音楽配信サービス「URGE」でMTV Networksと提携していた。同サービスは正式に開始されていなかったため、同社が単独行動を明らかに予定していたにもかかわらず、提携関係を完全に解消することは困難だった。
だが、Microsoftは今週に入って、PlaysForSureバナーの掲載を終了する方針を明らかにした。今後、同社のサービスおよびデバイスには見慣れた「Certified for Windows Vista」ロゴが貼付されることになる。
2004年に始まったPlaysForSureは、「iTunes」と「iPod」のように固定された組み合わせとは異なり、融合が可能なデバイスとデジタル音楽サービスが数多く存在することをユーザーに理解してもらい、彼らの「選択」の幅を広げることを目的として生まれた。しかし、Zuneにより、MicrosoftはAppleが正しかったことを認めている。
興味深いのは、これまでも、そしておそらく現在でもMicrosoftの当初のアイデアには評価すべき点があるということだ。問題はPlaysForSureのコンセプトではなく、一部のPlaysForSureプレーヤーが音楽配信に対応していないなど、実情を必ずしも反映していないことにあった。
レコード会社、ハリウッドの映画会社、NBCに対するAppleの挑戦から、なぜ愛用のデバイスが1つのサービスに対応しているだけではユーザーが飽き足らないか、その理由を垣間見ることができる。筆者も、Appleの囲い込み戦略よりMicrosoftの囲い込み戦略を選ぶということに比べ、数多くの優れたサービスを利用できるデバイスをどちらかといえば好むと思う。
音楽配信戦略をめぐる戦いにおいて、PlaysForSureが勝者になることを望む、というユーザーは他にいないだろうか?
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス