今回のテーマは「クチコミによる飲食店選びの調査」。
初めて利用する飲食店選び、失敗のないお店を選びたい。そんな中、信頼性が高いとされている『クチコミ』の情報がネット上で多く見受けられるようになった。そこで飲食店選びに際し、クチコミ情報の活用実態とその信頼性について調査した。
今回の調査は1月18日〜1月21日で行い、全国の10代〜60代以上の男女1939人(10代2.9%、20代14.5%、30代27.9%、40代26.6%、50代16.0%、60代以上12.1%)から回答を得た。
初めて利用する飲食店を選ぶ際にクチコミ情報を参考にするかについて聞いたところ、「参考にしたことがある」が81.3%と大半を占めた。そのクチコミの情報源のうち、「人から直接聞いた情報」が72.5%と最も多かったが、「インターネットサイト」が70.6%と次いでおり、従来の人から人へのリアルなクチコミとネットから間接的に得たクチコミが、ほぼ同じように活用されていることがわかった。年代別に見ると、クチコミの情報源として10代と50代以上においてはリアルなクチコミが最も多いが、飲食店の利用頻度が高いと想定される20代〜40代ではネットのクチコミが最も多いという結果となった。
ネットクチコミ情報の入手元について聞いたところ、「飲食店検索サイトのレビュー」が85.4%と最も多く、2位以下の「飲食店クチコミ専門サイト」(42.7%)や「ブログ」(39.2%)を大きく引き離した。豊富な情報量と機能性の高い検索サイトの利用頻度と連動して、各飲食店のレビューとして存在するクチコミ情報の閲覧頻度も高くなっているようだ。
実際に利用したことのある情報源ごとに、クチコミの信頼性について、4段階評価で聞いたところ、「信頼している」と答えた人は、リアルなクチコミ情報に対しては28.4%と約3割いたが、ネットのクチコミ情報については6.3%と低い結果となった。一方で、「信頼している」と「ほぼ信頼している」を合わせた肯定派で見ると、リアルなクチコミ情報の9割を超える結果には及ばないものの、ネットのクチコミ情報も79.1%と8割近い評価を得た。信頼性の度合いや確実性では、リアルなクチコミが依然として強い印象だが、ネットのクチコミも一定の信頼性を得て活用されている情報であることがわかった。
次に、ネットのクチコミ情報を活用した人に、実際に選んだ飲食店の利用について聞いてみると、91.2%の人が「利用したことがある」と答えた。また、利用した店の内容とクチコミ情報の一致については、「一致している」と答えた人は5.2%、「ほぼ一致している」と答えた人が83.8%おり、肯定派は89.0%と全体の約9割を占めた。実際に利用した結果、信頼性の高い情報として受け入れられているようだ。さらに、実際に利用した飲食店のうち、リピート利用した店について聞いてみると、「機会があれば利用したい店がある」と答えた人は58.2%と全体の過半数を超え、次いで「既にリピート利用している店がある」と答えた人は29.2%いた。逆に、「リピート利用したい店はない」と答えた人は6.3%と少数に留まった。「お気に入り」の店を見つけることが多いことから、活用者は情報が有効であると実感しているのかもしれない。
最後に、ネットのクチコミ情報を活用したことがない人に、その理由について聞いたところ、「情報が探すことが手間」と答えた人が32.2%と最も多く、次いで「情報の信頼性がない」29.2%が続いた。ネット情報の課題とされてきた信頼性に対しては依然として課題があるようだが、同様に情報の取り出しにくさが大きな課題となっているのではないか。
ネットのクチコミ情報は『使える』情報として、活用者を増やしている。情報活用者の満足度も高いため、今後もニーズが加速して高まることが予想される。ニーズの高まりに伴う情報の膨張が信頼性を損なうことがないよう、情報提供者の管理が一層重要になっていくのではないだろうか。
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