藤本京子(編集部)
2006/06/12 06:00
2006年2月9日、東証マザーズに上場したドリコム。そのドリコムがIPO後の戦略として目指す方向性はどういうものなのか。5月25日に開催されたNew Industry Leaders Summit(NILS)にて、「ドリコムPost IPOの経営戦略」と題したセッションが開催され、同社 代表取締役の内藤裕紀氏がインターネット業界のトレンドと共に同社の戦略を語った。
モデレーターのネットエイジグループ 代表取締役社長 西川潔氏
同セッションでモデレーターを務めたのは、ネットエイジグループ 代表取締役社長の西川潔氏。第1次ネットベンチャーブームともいうべき1990年代後半に、数多くのネット起業家を生みだしたことで注目を浴びた人物の1人だ。ドリコムの内藤氏にとって大先輩とも言える。その西川氏を前に、まず内藤氏がプレゼンテーションを披露した。
内藤氏は、1996年に米Yahoo!がIPOしてから10年たった今、インターネットの世界が変わりつつあることを指摘した。内藤氏がその変化の一例として挙げたのは、Yahoo!が2005年3月に写真共有サービスを提供するFlickrを買収したことや、同年12月にソーシャルブックマークサービスを提供するdel.icio.usを買収したこと、また2006年3月には、Googleがインターネット上でワープロソフトをサービスとして提供する企業Writelyを買収したことなどだ。
こうしたサービスを提供する企業は「Web 2.0企業」というカテゴリーで見られているが、内藤氏は「Web 2.0という言葉よりも、今この業界で起こっているトレンドを話したい」として、現在のインターネット業界で起こっている流れを3つにまとめた。
その流れとは、1)ソフトウェアがデスクトップ上からインターネット上へとシフトしつつあること、2)新しいインフラとしてソーシャルデータベースが確立されつつあること、そして 3)インターネット広告におけるロングテール理論が証明されつつあることだ。内藤氏は、これらの業界トレンドについて説明し、ドリコムもこうした方向性を持って戦略を立てているとした。
ドリコムの戦略について語る代表取締役の内藤裕紀氏
内藤氏がまずひとつめのトレンドとして指摘したのは、ソフトウェアがPCのデスクトップにインストールするものから、インターネット上のサービスへと移行しつつあることだ。つまり「Software as a Service」(SaaS)である。内藤氏は、Googleに買収されたWritelyをはじめ、オンライン表計算ソフトを提供するNum Sum、オープンソースのコラボレーションツールを提供するZimbraなどをSaaS企業の一例として挙げた。
また内藤氏は、2005年11月にMicrosoftが「Windows Live」と銘打ってソフトウェアをインターネット上のサービスで提供すると発表したことにも触れ、「巨人までもが動き出した」と、SaaSへの動きが本格化していることを指摘した。
ドリコムとしても、この動きを見逃してはいない。同社はすでに、社内情報共有やコミュニケーションツール「ドリコムブログオフィス」や、企業サイトの構築・管理ツール「ドリコムCMS」をASP形式で提供している。
「ソフトウェア市場にパラダイムシフトが起こっている。ドリコムとしてもこの分野に積極的に進んでいきたい」と、内藤氏は同社の方向性を語った。
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