ドリコムが2月9日、東京証券取引所マザーズ市場に新規上場した。朝方から強烈な買い物を集め、どんどん買い気配値を切り上げていき、初日の取引では初値が付かなかった。
公開株式数2000株(公募1360株、売り出し640株)に対して、取引開始後すぐに買い注文数と売り注文数を差し引いた注文株数がなんと1万株以上の買い越しとなる人気ぶりだった。1株あたりの公募価格76万円に対して終日買い気配を切り上げていき、大引けでは155万の買い気配で、公募価格比79万円高(約2倍)になった。
今回調達した資金は約9億4000万円で、これは研究開発費や人材の確保、販売促進費用などにあてる予定だ。上場後の資本金は4億317万6000円(上場前は5637万6000円)、同発行済株式数は1万9784株(同1万8424株)。
初日の大引けの気配値155万円で見ると、時価総額は約307億円となる。これは、2006年3月期連結決算予想(下表参照)の売上高に対して44倍、経常利益に対して154倍、純利益に対して256倍にあたる。
ドリコム連結決算予想
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市場関係者によると、「予想した通りの人気だが、売り上げや利益の規模を考えると過熱感は否めない」との声があった。また、別の関係者は「ドリコムの上場をきっかけに、IT・インターネット関連株全体へ物色が広がることを期待したが、この日の取引ではそうした動きは見られなかった。どちらかというとIPO(新規公開・上場)へ資金が向かっていることが確認されたと見たほうがいいだろう」とした。
なお、東証は初値が決定されるまで、買付顧客から買付代金(現金)を即日徴収するなどの規制措置を実施する。
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