ドリコム、新会社設立でBtoC事業に本格参入--リクルートのファンド投資第1号に

 ドリコムは5月10日、ドリコムブログ事業部門およびカテゴリ特化型検索サービス事業部門を会社分割し、株式会社ドリコムジェネレーティッドメディアに継承、6月1日より運営を開始すると発表した。新設会社は株主総会の承認を得ない簡易分割による分社型新設分割方式で、資本金は6500万円。代表はドリコムの代表取締役である内藤裕紀氏が兼任する。

 また、ドリコムジェネレーティッドメディアは、リクルートが5月19日に設立予定の100%子会社「リクルートインキュベーションパートナーズ」の資本参加を受け入れ、共同で新しい媒体や商品を開発する。リクルートインキュベーションパートナーズは、リクルートが持つ資源や情報と、投資先企業が持つ技術やノウハウを組み合わせ、新たなサービスの共同研究、開発の推進を目的とする研究開発型のコーポレートベンチャーキャピタル。ドリコムジェネレーティッドメディアは、リクルートインキュベーションパートナーズが運用するファンド「RIP1号R&D投資組合」の1号投資案件となる。

 ドリコムジェネレーティッドメディアはまずドリコムの100%子会社として設立。その後、6月20日をめどに普通株式400株、総額1億円の第三者割当増資を行い、これをRIP1号R&D投資組合が引き受ける。持ち株比率はドリコムが60%、RIP1号R&D投資組合が40%となる。

060510_drecom.jpg 「ブログを基本に新しいメディアを創出していきたい」と話すドリコム代表取締役社長の内藤裕紀氏(左)と、リクルートインキュベーションパートナーズ代表取締役に就任する宮本淳氏(右)

 「ドリコムとリクルートは、お互いに取り組みやすい分野に特化しており、もっともスピーディな展開が可能だった」と、内藤氏は語っている。広告やコンテンツ市場において大手のリクルートと、ドリコムが持つ、リクルートではカバーしきれない中小規模の広告やコンテンツを連動させ、新たなビジネスモデルを構築していく計画だ。特に、これまではBtoBビジネスが中心だったドリコムにとっては、BtoCビジネスへの本格参入の第一歩となる。

 ドリコムジェネレーティッドメディアでは、第一弾の取り組みとして地域情報分野での広告サービスを展開していく。具体的には、ドリコムブログの口コミ情報などを、リクルートの地域情報検索サービス「ドコイク」の店舗情報や地図情報と連携させていく。ドリコムブログの使い勝手を損なわずに、地域情報をドコイクと連動させていき、コミュニティなどに発展させていくとしいる。さらに、現時点では未定であるが、将来的にはサイバーエージェントのブログ向け広告配信サービス「MicroAD」を活用したプレゼントなど、ユーザーへの還元も視野に入れているという。

 また、第二弾のサービスも考えているといい、たとえばドリコムジェネレーティッドメディアが開発する新サービスと、ドコイクのローカル検索版を連携させた地域情報サービスなどがあり得るとしている。現時点では予測が難しいため、具体的な売上目標などの見通しは出せない状態だというが、新しいサービスやメディアを創出していくことで採算がとれるとしている。

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