ネット広告がようやくメインストリームに影響を与える時がやってきたことを実感しています。
昨年9月のリーマンショック以降、広告主の意識変化は、株価と共にメディア業界以上にシビアです。社員の給与をさげてまで、広告を出す価値があるのかと内部的にも問われる年です。
今年は広告業界にとっても、広告主、そしてユーザーにとっても試金石となる年になることでしょう。
まもなく、電通から2008年度の日本の広告費が発表されますが、2009年度は、テレビ伸び悩み<ネット広告伸びの鈍化というような、のんきで単純なものではなく、売りにつながらない広告は存在しなかった年と評価されるでしょう。
テレビも生視聴率だけでなく+HDR再生率や、録画率、ワンセグ視聴率と、いろんな好材料なデータをアドオンしROIが少しでも良く見えるデータづくりが必至となるでしょう。そして必ず売りの数字につなげなければならないという50年に一度のテレビ史上初めての挑戦が強いられます。
TBSオンデマンドの無料見逃しサービス
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のようにネットでテレビをどのように見せるかなども検討し、クリッカブルで広告主サイトへ飛ばすような努力も必要でしょう。
ユーキャンのような「シカクムービー」
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のような即成約や売りに直接つながるようなドラマづくりが求められます。
テレビは、面的なきっかけとしてのAtention(注意)だった時代から、より深く、点的に焦点をあわせたIntention(意思決定)が求められます。
当然、テレビCMの結果としての購買行動のの前に、ユーザーがネットでの検索行動や、狭い興味にリーチするための狭告(キョウコク)メディアの開発も急務となります。
テレビで、できない部分をネットが補間しているだけならよかったのですが、海外では、ネットがテレビの代替をはじめたから、様子は変わってきました。
そうなれば、広告代理店も「ネットのバジェットは低くて…」なんていえなくなります。でもテレビCMも売りたい。
そんな中で急増しているのが、「アドネットワーク」です。
ComScoreMediaMetrixによると、米国のユニークユーザー数(UU)1億人超えの上位10社のうち、7位のYahoo! 9位のGoogle以外はすべてアドネットーワーク経由の出稿です。
さらに行動ターゲティング広告やブログパーツ、iPhoneアプリからfacebookに至るまで、さまざまなインターネットメディアとの連動が必須なので、代理店とネット広告の子会社化が進んでいるのではないでしょうか?
細分化と進化と深化、さらに真価が問われています。
このあたりは実際にNIKKOファウンダーの加藤さんのご意見を聞きたいところ。
さらに、今年はネットの中小メディアが不況のあおりを受け、どのアドネットワーク系列に入るかなどの進退を決めようとしているところでしょう。
行動ターゲティングやリターゲティングを得意とするネット広告的な知恵やノウハウを、マス広告や販促にも取り込まなければ、生き残れない時代になっているのです。
ユーザーが広告情報の受容キャパを完全にオーバーフローしている今だからこそ、ユーザーとのエンゲージメント(絆)をしっかりと、リエンゲージメントし、結びなおす必要があるのです。
今までテレビ業界は視聴率だけを見て、広告業界は広告主だけを見てきました。
広告主はユーザーのARPU(Average Revenue Per User)だけを見てきました。
広告、狭告という面的なリーチでもなく、本来は、ユーザー「一人」「独り」の心情にあわせたInfiltration(浸透)表現と、お邪魔にならないタイミングの良いOppotunity(機会)、そして、商品サイクルとその消費のされ方をエコ的な見地からもDesignしなければいけない状態なのです。
詳しくは、02月13日(金)「アドネットワークフォーラム2009」へ
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2009-02-07 07:14:26