IDC Japanは12月24日、国内携帯電話市場の2009年第3四半期の実績、および今後の見通しを発表した。国内出荷台数は前年同期比12.8%減の732万台となり、8四半期連続の縮小、四半期ベースでは過去5年で最低の出荷実績となった。
IDC Japanによると、主要因は「携帯電話市場全体を牽引するようなハイエンド端末が乏しいこと」「景気低迷により買い替え需要の回復が遅れていること」「通信事業者の余剰在庫問題」の3点という。
端末ベンダー別の出荷台数シェアでは、シャープが1位を獲得した。同社のシェアは前四半期の23.9%から26.3%に上昇している。NTTドコモやau向けのハイエンド機種でシェアが拡大し、14四半期連続でトップとなった。
2位には、「らくらくホン」を中心に安定した端末出荷を続ける富士通が、前回の3位から順位をひとつ上げた。逆に、パナソニック モバイルコミュニケーションズは、上位機種の販売の伸び悩みなどから順位をひとつ落とし3位となった。なお、au向け薄型端末「K002」を中心に販売を伸ばしている京セラが、2000年以降初めて四半期ベースでトップ5入りを果たしている。
IDC Japan PC 携帯電話&クライアントソリューションのシニアアナリストである木村融人氏は、「2008年第4四半期は大きなマイナス成長になったことから、2009年第4四半期は縮小傾向に歯止めがかかる可能性がある。しかし、基本的には厳しい出荷状況が続いており、買い替え需要に回復の兆しが見えないため、この状況は少なくとも2010年前半まで続く可能性が高い」と予測している。
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