Financial Timesは、Appleおよび主要な音楽レーベルが、インタラクティブな機能を盛り込んだ新たな音楽ダウンロードサービスの立ち上げに向けて、共に準備を進めていると報じた。
「Cocktail」というコードネーム名の今回の共同開発プロジェクトにおいて、Appleは、EMI、Sony Music、Warner Music、Universal Music Groupとともに、9月中の新サービス立ち上げを目指していると、このプロジェクトに通じる匿名の情報筋から入手した情報に基づいて、Financial Timesは現地時間7月27日午前にFT.com上で伝えている。Appleは、9月に開催されるイベントにおいて、iPodやiTunes関連の発表を行うことでも有名である。
同プロジェクトによって、AppleのiTunes Storeで楽曲をダウンロードしている人々は、ライナーノート、歌詞、写真などの素材がインタラクティブにバンドルされた新機能を利用可能になると、Financial Timesは報じている。この「インタラクティブブック」機能により、ユーザーは楽曲の再生時にiTunesのソフトウェアに戻る必要すらなくなるという。
同プロジェクトは、かつての音楽視聴スタイルに戻って、デジタルアルバムの販売を劇的に伸ばすことを目指しているのは明らかだろう。これまでもAppleは、iTunesでアルバムの販売を行ってはきたものの、iTunes Storeでユーザーが好んでダウンロードしているのはシングル楽曲であるとの評価を受けてきた。Appleは現在、アルバムのカバーアートを、iTunesの「Cover Flow」機能を通じて提供している。
ある幹部はFinancial Timesの引用で、「音楽を聴きながら、友人と一緒に座ってアートワークなどを眺めつつアルバムを楽しんだ、かつての良き時代の再現だ」と述べている。
Nielsenの調査によれば、2008年に消費者が購入したデジタルシングル楽曲数は10億を超えたのに対して、デジタルアルバムの購入は6500万にとどまったようだ。いずれにしても、この数字は前年と比較して大きく伸びた。しかしながら、CDやLP、デジタル版を全て含めた2008年中の音楽アルバムの総売り上げ枚数は、前年比14%減となる4億2800万に落ち込んだ。
なお、今回のFinancial Timesの記事では、Appleが新たなタブレットの開発に取り組んでいることについても触れられている。FT.comに掲載された報道によると、おそらく10インチのタッチスクリーンが搭載される同デバイスは、2009年末のホリデーショッピングシーズンに合わせて発売されることになるという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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