Piper JaffrayのアナリストであるGene Munster氏によると、Appleは2010年の前半に「iPod touch」を大きくしたようなタブレットを発売し、ネットブック市場に参入する可能性が高いという。
Munster氏は米国時間5月21日、リサーチメモの中で、Appleの製品ラインアップに存在する隙間について述べた。つまり、iPod touchと「MacBook」の間にある大きな隙間のことだ。500〜700ドル程度の価格になると予想される新タブレットが、それを埋めることになるという。
Appleの最高執行責任者(COO)であるTim Cook氏は、過去にネットブックのことを「価値のないがらくた」と呼んだことがあるが、ネットブックに消費者需要があることは認めていた。
Munster氏は、次のように書いた。
アジアの部品業界関係筋からの情報や、より複雑なコンピューティング機器向けマルチタッチの感度に関する最近の特許、4月22日の電話会議でのTim Cook氏のコメント、AppleによるP.A. Semiの買収、チップに関連する最近の人材雇用などを総合して考えると、Appleがモバイルコンピューティング部門への投資を拡大しているのは明らかだ。
具体的に言うと、わたしたちは、Appleのこの取り組みによって、大画面(7〜10インチ)のタッチスクリーンを備えたタブレットが、2010年前半に登場すると予測している。さらに、Appleが安価な携帯用ネットブックは絶対に発売しないと繰り返し主張していること、成熟する市場において手遅れになる前に存在感を示したいという同社の願望(「iPod」や「iPhone」が投入されたのと同様のタイミング)、そして、同社の中核的製品(iPhoneとiPod、「Mac」)にマルチタッチ技術が段階的に追加されていることを考慮して、わたしたちは、「この製品は、(ネットブックではなく)タッチスクリーンを搭載したタブレットになる」という結論に達した。
Appleは、同社のマルチタッチ関連特許を利用して、通常のネットブックとは異なるものを作り出す戦略を採るだろう。Munster氏の説には、非常に説得力がある。ネットブックの発売に踏み切れば、Macの平均販売価格が下落し、Appleブランドに傷がつく恐れがあるが、タブレットを選択すれば、そうはならないだろう。さらに、Macタブレットは、Amazon.comの電子書籍リーダー「Kindle」に対抗できるというおまけもつく。
それでは、新タブレットのOSはどのような感じになるのだろうか?Munster氏はそれについても、次のような答えを用意していた。
新タブレットは、iPhoneのOSよりも強力で、「Mac OS X」とは異なりマルチタッチに最適化されたOSを搭載した、新しい区分のApple製品になるだろう。新タブレットのOSは、Appleのモバイル向けOSによく似たものになり、App Storeのアプリケーションにも対応するかもしれない。あるいは、Mac OS Xの修正版になる可能性もある。Appleは既にそうしたOSの開発に着手しているだろうが、その複雑さや、わたしたちがモバイル業界のある大手企業から聞いた話から判断すると、発売は2010年になる公算が大きい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ
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