あるAppleウォッチャーが米国時間3月11日、同社が大量の書籍を使って何か作業中であると述べたことから、Appleのタブレットまたはネットブックに関するさらなるうわさが浮上した。
Reutersは、Appleが10インチのタッチスクリーンをWintekに発注したと報じている。Wintekは、「iPhone」や「iPod Touch」で使用されるタッチスクリーンを製造する台湾の契約メーカーだ。この10インチのスクリーンは、2009年第3四半期までに準備を完了する予定で、かねてからうわさされているAppleのタブレットまたはネットブックが2009年終盤に発売される可能性を示唆するものとなっている。
しかしうわさのこの新製品に関し、興味深い推測を示しているのは、長年にわたってAppleについて執筆してきたライターのAndy Ihnatko氏である。同氏は、Appleが「Kindle」に似たような製品を目指しているのではないかと予測している。Ihnatko氏はNewsaramaに対し、Appleがカリフォルニア州クパチーノの本社において、トラック何台分もの書籍(実際の紙でできた書籍)を受領しているという話を何度か聞いたと述べた。同氏は、「(真偽は定かではなく)うわさの域にも達しないが、何度も耳にする興味深い話だ」と述べた。
つまりAppleは、iTunes Storeに電子ブックのセクションを開設する日に備えて、電子書籍のライブラリを用意するために書籍をスキャンしているのではないかというのである。もしかしたらこれに伴い、Appleの研究所ではiPhoneや「MacBook」とは少し異なる「iTablet」か「MacTablet Pro」などといった製品を開発中なのかもしれない。
AppleがAmazonに対し、iPhoneユーザーがAmazonの電子ブックライブラリにアクセスするための手段の開発を許可したとき、AppleはAmazonにモバイルコンピューティングにおける電子ブック市場を明け渡しているかのように思われた。Appleの最高経営責任者(CEO)であるSteve Jobs氏は2008年、「人々はもはや読書などしない」と宣言して、電子ブックリーダおよびその市場全体を放棄した。しかしこれまでに何度も指摘されてきたように、Jobs氏は、Appleが類似製品を発売する直前までは新製品や新しい概念を見下すことで有名である。
Appleはこれまでのところ、急成長を遂げるネットブック市場に対し慎重な姿勢をとっている。状況を見極めている段階だと述べる一方で、ほとんどのネットブック製品において設計上のトレードオフが必要である点とマージンが低い点に関し、懸念を示している。
しかし、人々は、スマートフォンとノートPCの間に属するような製品に対して関心は持っているようであり、もし、Appleがポータブルタブレットコンピュータ、ゲーム機、電子ブックリーダを、成熟したiPhone OS X OSを稼働する1つの製品に統合したら、より高い価格設定、そして、競合に比べて高いマージンも正当化できるだろう。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」