製品のラインアップがより広範になってきたことで、Macを購入する消費者が増加し、PC市場においてAppleが他社をしのぐ成長を見せている。
Apple Computerは米国時間7月19日、2006年第3四半期の決算発表で、Macintoshの出荷台数が、2005年と比べ12%増加したことを発表した。前年同期比でわずか4%増となった、第2四半期の出荷台数とは対照的である。Appleは当時、これを購買活動の「小休止」だと表現していた。
Intel製プロセッサへの移行を発表してから製品が発売されるまでの数カ月間、Appleは苦戦を強いられた。新型のMacが近々登場するということを知って、消費者はPowerPCプロセッサを搭載したMacの購入を控えてしまったからだ。しかし、ここ数カ月の間に「MacBook Pro」や「iMac」、とりわけ5月中旬に登場した「MacBook」の需要の高さに後押しされて、消費者による買い控えの気配は払拭されたようだ。
American Technology ResearchのアナリストShaw Wu氏は、Appleによる決算発表を受けて、「Macの市場が勢いをつけ始めているという点がポイントだと思う」と、電子メールによるインタビューに答えた。
Appleで最高財務責任者(CFO)を務めるPeter Oppenheimer氏によると、7月1日締めの第3四半期中、Macは同社の売り上げの55%を占めていたという。ノートPCの出荷台数と売り上げはともに61%増加し、小売チャネルにおけるノートPC市場での同社のシェアが、2倍になったとAppleでは確信している、と同氏はリサーチ企業NPDのデータを引用して述べた。
Oppenheimer氏によれば、同四半期中に、Appleの直営小売店で販売されたMacの約半数は、Macを初めて買う消費者が購入したものだったという。これは、Appleが過去数四半期発表してきたものと、おおむね同じ割合である。
Oppenheimer氏はまた、教育関係者向けの販売が同四半期におけるMacの売り上げを後押ししたと述べた。新型ノートPCは教育市場で非常に好評だった。教育市場というのは通例、前四半期末に購買決定することを好むと、Creative StrategiesのアナリストTim Bajarin氏は述べる。
Macの業績に対するマイナス面の1つは、プロフェッショナルユーザーと結びつきが強い、デスクトップ製品における性能の問題である。クリエーターなどAppleが提供する製品の中でも最も高性能なものを必要とする専門家が使用するデスクトップ製品、「Power Mac」は、Intelの最新プロセッサが発表された現時点でもまだ、Intelプロセッサを搭載した新型が発表されていない。その結果、2005年と比べ、デスクトップ製品の出荷台数と売り上げは下落している。
しかし、Intelがこの数週間のうちに「Core 2 Duo」プロセッサを市場に投入し、AppleもサンフランシスコでWorldwide Developers Conference(WWDC)を8月に開く予定であることから、間もなくこの状況も打開されるはずだ。Appleは、新型デスクトップ製品にCore 2 Duoを搭載するか、「Xeon 5100」プロセッサを搭載するか明らかにしていないが、開発者に対しては事前に知らされるか、WWDCで発表されることになりそうだ。
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