カリフォルニア州サンノゼ発--Kate Purmalは1年ほど前に、仕事用のノートPCを9歳の娘に台無しにされたことを今でもよく覚えている。ノートPCに入っていたプログラムや設定はメチャクチャになり、彼女は1日がかりで復旧作業をしなくてはならなかった。
しかし、最悪と思えたその日の出来事が、Purmalのキャリアを変えるきっかけとなった。メチャクチャになったノートPCの中身を簡単に復旧できるようにする可能性に興味を持ったPurmalは、順調だったコンサルタントの仕事を辞め、U3のCEOに就任した。U3は、USBフラッシュメモリドライブの用途を基本的なデータ保存以外の分野にも広げるために、メーカー各社が結成した業界団体だ。
U3は、プログラムやユーザ設定などを含むデスクトップ全体を、自宅と勤務先の間で持ち運び可能にする技術仕様を開発した。また、この仕様では、ユーザがリモートアクセス用のソフトウェアを立ち上げて、Windows XPまたはWindows 2000が動作するPCに保存されたデータにリモートからアクセスすることさえ可能になっている。
U3は、1月のConsumer Electronics Show(CES)で発表した計画に沿って、125人のソフトウェア開発者を含む259人の出席者と共に、「U3 Global Developer Summit」をサンノゼで開催した。Purmalによると、U3には、RealNetworks、Skype、TrendMicro、そしてMozilla Foundationなど、同グループの仕様をサポートする8つのハードウェアメーカーと32のソフトウェア会社が参加しているという。
「私たちは、『スマートドライブ』という新しい波をもたらそうとしている。それは、データだけでなく、パスワードやユーザ設定を含んだ作業環境を持ち運べ、コンピュータに挿すだけで使えるデバイスだ。これがあれば、もはやノートPCを持ち運ぶ必要もない」とPurmalは基調講演のなかで語った。
PCのUSBポートに挿すだけでファイルのバックアップや持ち運びができるUSBドライブを便利だと思う消費者が増えている。Purmalのグループでは、それをさらに簡単に使えるようにしたいと考えている。
Purmalは、SanDiskとM-Systemsという2大メーカーから大きな支援を受けており、現在はデータ保存を主とするいまのUSBドライブ技術や、UFDA(USB Flash Drive Alliance)と競合する企業のネットワークを育成しようとしている。LexarやSamsung、Microsoftから支持を受けているUFDAでも、U3と同様の取り組みを行っている。
だが、元のPalmでは5番目の社員であったPurmalには、非常に影響力の強い友人がいる。US3ではMicrosoftや他のソフトウェアメーカーを相手にソフトウェアのダウンロードを嫌がる消費者の懸念を低減する方法を検討していると、同氏は述べている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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