松下電器産業のプラズマテレビVIERA(ビエラ)が好調だ。オリンピックの公式スポンサーとして大規模なキャンペーンを行ったことが功を奏し、プラズマテレビでシェア40%以上を確保したという。過去最大級とも言われる年末のテレビ商戦に向け、新たに女優の小雪さんを宣伝キャラクターとして採用する。
JEITAの調査によれば、2004年4月〜7月のプラズマテレビ出荷実績は金額ベースで前年比61%増、台数ベースで同82%増となった。特にオリンピック開幕が近づくほど伸び率は高まり、7月には台数ベースで同119%増となったという。
新宣伝キャラクターの小雪さんとVIERA |
「オリンピックにおいて日本人選手団は予想を上回る活躍を見せた。そしてオリンピック商戦において予想通りの躍進を見せたのが薄型大型テレビだ」(松下電器産業 常務役員 パナソニックマーケティング本部 本部長の牛丸俊三氏)
牛丸氏は、業界の中でも松下は他を上回る伸びを見せたと話す。6月〜7月のテレビ出荷台数を見ると、業界全体では前年比3%増であったのに対し、松下は同20%増だった。「(家電業界で)オリンピックのテーマを販売活動に使えるのは公式スポンサーである松下だけだった。この優位性を最大限に生かしたプロモーション活動の成果だ」(牛丸氏)
オリンピック商戦のプラズマテレビ市場においてシェア40%以上獲得したことを挙げ、牛丸氏は「オリンピック商戦はVIERAが金メダルをいただいた」とした。
10月上旬から小雪さんを起用したCMが放映される |
例年オリンピックのあった年には年末にテレビ需要が大きく伸びることから、松下では今年の年末商戦に大きな期待を寄せる。「オリンピックはあくまでテレビ需要を喚起するきっかけに過ぎない。年末年始は家族で集まってテレビを見たいというニーズが高く、この勢いはさらに加速するだろう」(牛丸氏)
松下の予測によると、2004年のプラズマテレビ市場規模は34万台で、2006年には93万台になるという。これに向け、すでに4月に稼働を開始した茨木第2工場では月産4万台のフル稼働を行っているといい、尼崎新工場も9月7日に起工式を行った。同工場は2005年11月に稼働する予定だ。
年末商戦に向けては、小雪さんを宣伝キャラクターとして採用するほか、ENYAの新曲をCMに採用した。この曲は松下のCMのために書き下ろされたものといい、「ENYAの発売前の新曲がCMに先行使用されるのは世界初のこと」(同社)という。10月上旬よりCMの放映を開始するとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」