Advanced Micro Devices(AMD)は、2005年後半にデスクトップ用デュアルコアプロセッサのリリースを計画している。同社はこのスケジュールの強化によって、Intelとの競争で優位に立ちたい考えだ。
AMDが、サーバ市場ではOpteronチップ、そしてデスクトップ市場ではAthlon 64チップとして投入されるデュアルコアプロセッサの設計を完了したことを、同社Opteron事業部ディレクターのBarry Crumeが明らかにした。
OpteronとAthlon 64の両チップはキャッシュのサイズ、動作周波数、I/Oリンクの数が異なるが、両チップともコア部分の機能は全く同じとなっている。デュアルコアOpteronには、「Egypt」「Italy」「Denmark」というコード名の3タイプがある。また、デュアルコアのデスクトップ用チップには「Toledo」というコード名が与えられている。
Crumeは、デュアルコアプロセッサを採用すれば深刻化する消費電力の問題を改善できる、と話している。動作周波数の低いデュアルコアチップは消費電力を抑えることが可能で、しかも数ギガヘルツで動作するシングルコアチップを上回るパフォーマンスを叩き出せる。
同氏は、一般通念とは逆に、ソフトウェアの互換性はデュアルコアプロセッサの採用にとって大きな障害とはならない、と話している。Windows XPとWindows Server 2003は既に「スレッド化」されていて、タスクを2基のプロセッサに割り当てられるようになっているからだ。また、サーバ用アプリケーションも相当数がスレッド化されている。
一方、デスクトップアプリケーションでは、この手法があまり一般的ではない。だが、オペレーティングシステムがスレッド化されていれば2つの作業を同時に処理できるため、PCのパフォーマンスを改善できる。
AMDの最初のデュアルコアチップは、同社が導入したばかりの90ナノメートルプロセスで製造される。
AMDの最高経営責任者(CEO)Hector Ruizは4月に、AMDがデュアルコアのOpteronを2005年後半に投入すると明言したが、デスクトップ向けについては需要が見込めないため、同時投入はないかもしれない、としていた。
この発言の8日後に、今度はIntelがデュアルコアのデスクトッププロセッサの投入計画を明らかにした。
Crumeは、AMDによる米国時間14日の発表は、Intelの明らかにした計画に追随するために行ったわけではない、としている。
しかし、Insight 64のアナリスト、Nathan Brookwoodによると、いずれにせよAMDがこの計画を実現したことは重要だという。同氏は、Intelが計画を実現したかどうかは定かではないため、設計ではAMDが大きくリードしているかもしれないと語った。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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