家電分野でソニーを追い抜くとの野望を抱くSamsungが、9月頃をめどにニューヨークで家電製品を扱う直営店をオープンさせる計画を進めている。
Time Warnerビルにテナントとして出店するこの直営店舗は、Apple Computerが次々に開店させている小売店舗や、ソニーがニューヨークとサンフランシスコに持つアウトレットショップと同様の役割を果たすことになる。Samsungが製品を販売したいのはもちろんだが、この店舗では自社のデザインへの取り組みとブランドにスポットを当てることに重点が置かれる。同社は既に、モスクワに4階建ての家電ブティックをオープンさせている。
Samsungが今年中に投入予定の製品としては、画面部分の容積削減のために電子部品をテレビスタンド内に収めた52インチのプロジェクションテレビなどがある。
Samsungの主任デザイナーSangyeon Leeは、「ディスプレイは、電子家具とも呼べるものだ。リビングルームにマッチさせる必要がある」と語った。
情報筋によると、Samsungはさらに、NokiaのN-Gageと似たコンセプトの、大画面と1.2Gバイトのメモリを搭載するゲームマニア向けの携帯電話もリリースするという。
Leeによると、かつては低価格製品のメーカーとして有名だったSamsungは、デザイン重視の姿勢で家電市場のハイエンドに進出してきたという。その取り組みは、同財閥会長のKun Hee Leeが、「企業の存続にとって最も重要な財産はそのデザインと創造力にある」と社員に向けて発言した1996年から始まった。
Leeによると、現在同社には世界全体で約441人のデザイナーが在籍しており、これは96年当時の倍以上の数にあたるという。また電子機器事業部門の経営幹部などは、デザイン委員会の活動の一環として定期的に会合を開くよう義務づけられているという。
Leeはまた、各国のデザイン拠点に言及し、「それぞれに長所がある。ロンドンは色合いと物理的なデザインを重視し、サンフランシスコはインタフェースが強い。東京 は仕上げと素材が得意だ」と語った。
Samsungは新人の発掘を目指し、ニューヨークのParsons School of Designおよび京都大学に教育プログラムも用意している。
こうした取り組みは明らかに実を結んでいる。ブランド調査会社のInterbrandによると、同社は世界で最も成長の早いブランドになったという。またDisplySearchのデータによると、平面ディスプレイ分野では、ライバルのLG電子を追い抜いて世界最大のメーカーとなったという。さらにテレビの販売台数ではソニーやPhilipsを上回るという(同社データ)。同社の幹部はしばしば最大のライバルとしてソニーの名を挙げている。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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