何年もの間携帯電話市場で後れをとってきたMicrosoftが、ついにシェア獲得に向けた自信作を用意してきた。
同社は米国時間10日、携帯電話/携帯端末用の最新OS「Windows Mobile 5.0」の開発が完了したことを発表した。既報の通り、Microsoftは端末メーカーや携帯電話会社がさらに容易にカスタマイズできるソフトウェアを開発することで、収益を拡大し、最大のライバルであるNokiaから市場シェアを奪いたいと考えている。
Microsoft会長のBill Gatesは、CNET News.comに対し、「これまでは、カスタマイズに関する多くの要望に手作業で対応し、そのために多くの時間を費やしてきた。だが、Windows Mobile 5.0では、カスタマイズに関する多数の作業が非常に簡単になった」と述べている。
Gatesは、ネバダ州ラスベガスで開催中のモバイル製品開発者向けのイベントでWindows Mobile 5.0を発表した。同氏によると、すでに世界40カ国以上で事業を展開する合わせて68社の携帯電話事業者が、同社製品を搭載する端末を発売する予定だという。
「2年前、われわれの製品を搭載する端末を扱っていたのは欧州のOrangeだけだった。3年前にまでさかのぼると1社も販売していなかった」(Gates)
同社のYa-Qin Zhangが率いるモバイル製品開発の取り組みでは、同OSを作り直し、さまざまな端末上で動かせるようにすることに重点が置かれていた。
Microsoftは、この点に関して役立つ多数の機能を盛り込んだとしている。そのなかには、ソフトウェアベースのボタンがサポートされたことも含まれるが、この機能を使えばスタイラスペンを使わず、片手でデバイスを簡単に操作できるようになる。
「Magneto」という開発コード名で呼ばれていた新バージョンは、機能を強化したモバイル版のWordとExcel、PowerPointビューワー、そしてWindows Media 10(WM10)のモバイルバージョンなども搭載する。WM10は、楽曲のサブスクリプションサービスや、録画したテレビ番組の再生もサポートする。
Microsoftのマーケティング担当シニアディレクター(モバイル/組込デバイス部門)Scott Hornは、「楽曲やメディアのダウンロードサービスを運営したいという携帯電話会社がますます多くなっている」と述べた。
しかし、マイクロソフトが今回改良に取り組んだ事柄は、多くの場合細かな部分に関するものだ。同社では、たとえば携帯電話会社が画面上のカラースキームをカスタマイズし、自社のロゴにマッチしたものにできるようにした。マイクロソフトのOSを搭載した端末では、長い間画面内のリンクの色はすべて青だったが、同社は初期の経験を踏まえ、こうした点を変えられるようにしたという。
「こうした事柄については多くのことを学んできている」(Horn)
Hornによると、Windows Mobile 5.0が動作する端末は、今後数カ月のうちに市場に登場することになるという。このうち、T-MobileのMDA IVやSamsungのSGH-i300といった端末はすでに発表になっており、また他社の製品も来週発表になると同氏は述べた。
一方、Hewlett-PackardとDellはいずれも、一部の既存ユーザーが使用中のハンドヘルド端末をアップグレードして新OSを動かせるようにしていく計画だとしている。しかし現時点では、両社ともWindows Mobile 5.0を搭載した新製品の計画は発表しておらず、既存の製品に同OSが搭載される時期についても明らかにしていない。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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