ロサンジェルス発--ゲームソフト会社やハードウェアメーカーは、消費者がオンラインゲームを求めていると自信満々だが、しかしどうやって収益を得るかという問題はまだ解決されていない。
今年のE3ゲームショーでは、これまでとは異なり、PC向けのオンラインゲームで注目度の高いものはほとんど登場しなかった。この市場を支配するのは、「EverQuest」や「Star Wars Galaxies」といったファンタジーゲームだ。
一方、ゲーム機用ソフトに関しては、メーカー各社は消費者の間で新しいオンラインゲームサービスが受け入れられたことに満足しているというが、ただし現在の両極端--つまり無料でプレイさせるわけでもなく、また月額契約制でもない、新しいビジネスモデルを見つけ出す必要がある。
多くのゲーム会社にとって、この問題の答えは小規模決済の実現にある。これは、ゲームプレイヤーが数セント支払えば、ロールプレイングゲームで新しい武器を購入できたり、シューティングゲームで新たな地図を手に入れられるというものだ。
Sony Computer Entertainment America(SCEA)エグゼクティブ・バイスプレジデントのAndrew Houseは、ゲーム機用のオンライン対応ゲームについては市場の期待がすでに固まっているため、メーカーは今後消費者が抵抗なく追加の料金を支払って細々としたものを購入できるようにしなくてはならないと述べている。
「消費者は購入するゲームに基本的な1対1のオンライン対戦機能が含まれていて当然だと考えている」(House)
オンラインゲームがビジネスとして成功するかどうかは、多くのゲーム会社が望んでいた月極の定額料金ではなく、細々とした追加料金をとれるかどうかで決まるだろう。Houseによると、ソニーは現在そうした仕組みの開発に取り組んでおり、これを来年登場させる予定だという。
「サブスクリプションベースの課金モデルには、もともと限界がある。もっと望ましいのは、ダウンロード可能なコンテンツと小規模決済を組み合わせたモデルだ。来年には、わが社がこの分野で取り組んできた結果を示すことができるだろう」(House)
大手ゲームソフト会社のElectronic Artsでエグゼェクティブバイスプレジデントを務めるBruce McMillanも、Houseの考え方を支持する。だが、ゲーム機向けのオンラインゲームから収益を得ることは、数年後にPlayStation 3と次世代Xboxが登場するまで待つ必要がありそうだという。「現行世代のゲーム機に関するわれわれの目標は、パッケージ製品を販売することだ」(McMillan)
だが、MicrosoftはすでにXboxのオンラインゲームサービス「Xbox Live」で、こうした角度からの取り組みを進めている。Xbox Liveは、100以上のゲームのオンライン版にアクセスできるサービスを年間料金50ドルで提供し、80万人以上の加入者を集めている。MicrosoftバイスプレジデントのPeter Mooreは、同サービスへの加入者数が着実に増加しており、また契約更新率も高いことから、ゲーム利用者が有料コンテンツを受け入れるだろうと述べている。
「サブスクリプション形式のビジネスは、24時間休みなしにサービスを提供する必要があるため、非常に厳しい。この点でわれわれは健闘しており、また消費者に価値あるサービスを提供する新たな方法の開発についても同様だ」(Moore)
Microsoftは、顧客がアーケード型ゲームを10ドルもしくはそれ以下の料金でダウンロードできる次期サービス「Xbox Live Arcade」で小規模決済戦略をとる予定だ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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