アイオメガ、取り外し可能な新ディスクの開発で売上げ倍増を狙う

藤本京子(CNET Japan編集部)2003年11月10日 19時38分

 アイオメガは11月10日、デジタル家電向けの小型リムーバブルハードディスク技術であるDCT(Digital Capture Technology)と、PCやサーバのバックアップおよびアーカイブに向けた大容量リムーバブルハードディスクRRD(Removable Rigid Disk)を発表した。両製品ともに、フロッピーディスクのように取り外しが簡単な新タイプのディスクとなる。

 今回発表されたDCTは、ビデオカメラやミュージックプレイヤーなどに内蔵されるタイプと、PCカードスロットタイプの2種類。サイズは内蔵タイプが54.4mm x 6.5mm x 80.3mm、PCタイプが54.4mm x 5mm x 80.3mm。両タイプともに1.5GBの容量で、米Iomega事業開発部担当副社長、スコット・シーハン氏によると、将来的には2年ごとに2倍の容量のものを開発していく考えのようだ。価格は1GBにつき約7ドル程度となる予定で、今後コンパクトフラッシュなどの小型メモリデバイスと同じ市場で戦うことになる。

 「アイオメガではこれまでホームユーザーや中小企業に向けたストレージデバイスを提供してきたが、これに加えてデジタル家電製品に組み込めるようなメディアの開発に取り組んできた。デジタル家電は各デバイスで要求されるスペックなども異なるため、開発にも苦労したが、DCTは衝撃や湿度にも強く、デジタル家電に適したメディアだ」とシーハン氏。また同氏は、DCTがデジタル家電市場で重要とされる「小型で、低価格で、編集やアーカイブ、保存などが容易である」という点もクリアしていると主張する。

米Iomega事業開発部担当副社長、スコット・シーハン氏

 現在開発者に向けたDCT製品は既に出荷開始されており、「まだ採用予定の企業名は発表できない」としつつも、複数のOEM企業で評価されているという。一般市場への出荷予定は、2004年度第2四半期後半としている。

 いっぽうRRDは、35GBの容量を持ったリムーバブルストレージで、「カートリッジ部分が取り外し可能となっているため、無制限にハードドライブの容量を拡張することが可能」とシーハン氏。現在テープバックアップが使用されている分野への代替ソリューションとして市場投入する予定。Travan40、DDS、DAT-72、VXAR、AIT-1などのテープドライブよりも安価で、高速なバックアップが期待できるという。たとえば、20GBのバックアップに必要な時間は、従来のテープバックアップでは1時間以上だが、RRDでは約10分程度で済むとのことだ。

 サーバやPCのテープバックアップの代替品以外にも、RRDはハイエンドゲーム機や、NAS(Network Attached Storage)のアーカイブ、ハイエンドのグラフィックワークステーション、医療機器のイメージングシステムなどをターゲットとしている。すでにコンピュータメーカーなどに向けて試作機を出荷しており、一般市場への製品投入は2004年第1四半期を予定している。

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