Mozillaは携帯電話の開発に乗り出そうとしているわけではない。しかし、米国時間9月23日に発表したMozilla Labsの新たなプロジェクト「Seabird」は、かつてないほど重要な機器となった携帯電話をどう進化させるかという点で、業界各社に刺激を与えることを意図している。
新しい携帯電話のアイデアを紹介するバーチャルツアーを制作したプロジェクトリーダーのBilly May氏は、次のように述べた。「モバイル機器のCPU、接続性、開発プラットフォームがデスクトップに近づきつつある中で、情報を効率よく入力する技術の遅れがこれまで以上に明白になっている。そこでSeabirdは、先進のモーションキャプチャとプロジェクタによる革新を推し進めることで、ユーザーインタラクションをどう進化させられるか、いくつかの可能性を提示する」
アイデアの1つは、携帯電話の左右に搭載したピコプロジェクタで平坦な面にキーボードを投影するというものだ。赤外線センシング技術によってユーザーが指でタイプしている位置を検出するとともに、携帯電話の手前に仮想トラックパッドとして機能するスペースを用意する。
これ以外の要素としては、携帯電話の裏に収まる取り外し可能な部分がBluetoothヘッドセットになり、2D画像や3D空間でパンやズームを行う赤外線リモコンとしても機能する。また、携帯電話を横置きにして手前に仮想キーボードを投影し、向こう側に大きなスクリーンを映し出すこともできる。
もちろん、最高にクールな携帯電話のための独創的なアイデアを出すのと、アイデアを実際の製品に仕上げるのとはまったく別の話だ。きわめて競争の激しい環境で可能な限り迅速に新型の携帯電話を開発しようと取り組んでいる、Apple、Google、Nokia、サムスン、Microsoft、Motorolaといった有力企業でも、バッテリの持続時間、本体のサイズ、素材、製造コストなどの制約と新機能のバランスを取るのは難しい。
それでもなお、Mozilla LabsのSeabirdプロジェクトは、想像力を刺激する素晴らしい取り組みだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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