AT&T Mobilityの最高経営責任者(CEO)Ralph de la Vega氏によると、同社は「HTC First」の在庫をほぼ一掃できたという。「Facebook Home」を搭載した初のスマートフォンとなった同製品はコンシューマーの心をつかみ切れていなかったが、価格を99セントに引き下げたことが販売促進につながったようだ。
同氏は米国時間6月24日、インタビューのなかで「価格を引き下げた結果、膨大な数が売れた」と述べるとともに「これにより在庫が一掃された」と語った。
HTC Firstの在庫がどれくらいあったのかは明らかになっておらず、同社は在庫数について具体的に述べようとはしていない。
HTC Firstは、AndroidのスキンであるFacebook Homeのプロモーションも兼ねた派手なイベントにおいてFacebookとAT&T、HTCによって発表された後、すぐに苦境に立たされたようだ。HTC Firstは、Facebookのモバイル分野における存在感を向上させるための看板製品となるはずであり、AT&Tも同時期の主力モデルとすることを約束していた。
しかし多くの人は、このスマートフォンが人気商品になるという見方に疑いの目を向けていた。こういった予想の正しさは、同製品の需要の低さを示すかのように、AT&Tが発売からわずか数週間で価格を99セントに引き下げたことで裏付けられた。その後、同社が売れ残っていた在庫をHTCに返品したといううわさや、販売を打ち切る予定であるといううわさが流れていた。なお、両社に詳しい情報筋は米CNETに対して、こういったうわさを否定していた。
De la Vega氏は在庫が一掃されたと述べたものの、この製品は同社のウェブサイトでまだ入手可能となっている。
AT&TがHTC Firstの在庫を一掃できたとしても、同製品が失敗だったという意見に反対する人はいないだろう。しかしDe la Vega氏は、同社のパートナー企業と協力して同様の製品を市場に投入すべく全力を傾けていると述べている。
De la Vega氏はHTC Firstに関する話のなかで、「Motorola ROKR」を引き合いに出した。Motorola ROKR(Motorolaの開発した携帯電話であり、「iTunes」との連携機能を有していた)は、事実上Appleが携帯電話分野に初めて進出した際の、楽曲プレーヤーを中心に据えた携帯電話であるが、構想そのものに問題があり、ほとんど普及することはなかった。AT&TはMotorola ROKRを発売し、その販売自体は成功とは言えなかったものの、De la Vega氏はこれによってAT&Tが「iPhone」の販売権獲得で有利な位置に立てたと確信している。
「われわれは、Facebookと素晴らしい関係を築いているのと同様に、Appleとも素晴らしい関係を築いている」(De la Vega氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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