Adobe SystemsはHTML5に片足を突っ込んでいたが、米国時間7月31日、「Adobe Edge」と呼ばれるソフトウェアのプレビュー版を公開することで大胆な試みに打って出た。
長年にわたって、ウェブ上で意匠を凝らしたことを実現するためのAdobeの答えは「Flash Player」だった。Flash Playerはほぼ全てのコンピュータにインストールされているブラウザプラグインで、アニメーションゲームのプレイや動画のストリーミング、ブラウザ間の相違の除去といった機能を備えている。
しかし、OperaやMozilla、Apple、Googleといった提携企業、そして最終的にはMicrosoftまでもが、ウェブ標準で実現できることを進化させ始めた。その代表的なものが「HTML」「CSS」「JavaScript」の3つだ。
これらの新標準はとりわけ、新しいスマートフォンで利用されていたが、それは、Flashが利用できない、動作が遅い、「iPhone」や「iPad」のようにまったくサポートされていないといった場合であった。Adobeは、ゲーム、高度なオンライン動画、ビジネスアプリケーションの3つの主要分野でFlashの重要性を維持することに懸命に取り組んでいるが、Edgeを出したことで、Adobeは過去に生きていると批判する人々に対し、同社がより良い答えを提示できるようになった。
AdobeでWeb Proグループ担当製品マネージャーのDevin Fernandez氏は、「HTMLがよりリッチになってきているのを、われわれは見てきた。かつてFlash向けであったワークフローがウェブ標準で処理されているのを目にしている」と述べた。
このプレビュー版の公開は、Edgeにとって始まりにすぎない。Edgeを利用することで、主にJavaScriptが制御するCSSによって、ウェブページにアニメーション効果を追加できる。例えば、ユーザーがEdgeで設計されたウェブページを読み込むと、テキストとグラフィックスの要素が徐々に表示されることになる。
今日でも、それらは全てプログラミング体験によって実現できるが、Adobeはさまざまなアクションを引き起こすタイムラインを使って、イベントの発生を制御することに慣れている設計者の負担軽減を目指している。
今後新版が登場するにつれて、より多くの機能が追加されていくだろう。Adobeは2012年にEdgeの完成版の販売を開始する予定だ。
Fernandez氏は、「最初のプレビュー版公開において注力したのはアニメーションだ」と述べた。「プレビュー期間終了後、追加機能を加える予定だ。コミュニティーからのフィードバックについて、要求事項を考慮しながら反映させる予定だ」(Fernandez氏)
Edgeのプレビュー製品は現在、Adobe Labsサイトから入手できる。Adobeは6月にEdgeを先行公開していた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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