すべての人々が必ずしも同じ意見を持っているわけではないが、科学者、財界人、テクノロジ開発者などを対象にした新調査の結果から見る限り、インターネットは実際に人類の知性向上に寄与しているようである。
Pew Internetが米国時間2月19日に発表した調査報告書「The Future of the Internet IV」は、現在および今後10年間にインターネットが人類に及ぼす影響について、900人の専門家にインタビューし、その見解がまとめられた。ほとんどの専門家が、インターネットには人類の読解力、文章作成力、全体的な知識の把握力を向上させる可能性があり、実際に向上につながるだろうと考えていることを明らかにしたものの、こうした見解には懐疑的な専門家もいた。
Imagining the Internet Centerのディレクターであり、今回の調査報告書の共著者であるJanna Anderson氏は声明で、「4人のうち3人の専門家は、インターネットの利用が人類の知性を強化し、伸ばすものになると述べており、3分の2の専門家が、インターネットによって、人々が読んだり、書いたり、知識を集めたりする能力が向上すると語った。しかしながら、GoogleやWikipedia、その他のオンラインツールがもたらす影響について、依然として批判的な人々も多く存在する」と述べた。
作家のNick Carr氏は、「Is Google Making Us Stupid?」(Googleは人類を愚かにしているか?)と題する記事をThe Atlanticに寄稿して話題となったが、Pew Internetは今回、一連の専門家に対して同じ質問を投げかけた。
インターネットの閲覧やウェブサイトに軽く目を通すことが人間の集中力を低下させるとの仮説に対して、大半は否定的な意見を表明した。Googleは、人類に多くの知識を与え、より創造的にすると述べる人々がいた一方で、Googleのようなサイトが、人類を知的に怠惰なものにすると語る人々もいた。大多数の専門家にとって、答えは質問のように単純なものではなかった。
オランダの未来思想家であるMarcel Bullinga氏は、「Googleが人類を知的にすると同時に愚かにもするだろう。われわれは将来、至る所で透明な3Dのモバイルメディアクラウドに囲まれ、その中で生活することになる。このクラウドの中で、人類はコンピュータを活用して、単純なものであれ、複雑なものであれ、あらゆるタスクをコンピュータに委ねてしまう。そのため、人類は以前必須とされていた技術を失うことになるだろう。(中略)しかしながら、より良い決定を下す技術を習得することにもなる。(中略)結局のところ、失うものよりも得られるものの方が大きいと考えている」と語った。
同調査報告書では、他の複数の重要な質問に対する反応もまとめられている。
インターネットは人類の読み書きの能力を向上させるものとなるだろうか?それとも、低下させるものとなるのであろうか?65%の回答者は、インターネットによって読み書きの能力が向上していくと感じているのに対して、ウェブや電子メール、インスタントメッセージに見られる、粗野な文体を批判する専門家もいる。とはいえ、インターネットが人類の読解力、文章作成力、理解力に及ぼす影響に関して、これもまた賛否両論があることが判明している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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