オバマ大統領の景気浮揚策への期待は高いようだ。Khan氏は、「第2次大戦後、銀行は借入市場全体の60%の資金を用意していた。現在銀行のシェアは20%だ。資金を市場に行き渡らせるためには、政府の景気浮揚策も重要だ」と語った。
セッションに登壇した投資家たちは、この不況期にこそ、ベンチャーキャピタルの活躍の場が広がると考えている人が多かった。Bressler氏は「株式市況が非常に悪化している現在、我々のようなプライベートファンドが活躍できる場があるのではないか。我々のような長期投資を目的とする投資ファンドが資金提供することで市場育成が可能になる」と自信を見せた。
では、ベンチャーキャピタルは企業に投資する際、どういった点を基準にしているのだろう。Miller氏は「投資のアーリーステージでは、投資先企業の技術革新性を見極め、次のステージでは企業のマネジメント・チームの良さを重要視している」と投資の基本姿勢を述べる。
また、Bressler氏は「投資利益が上がらない状態が続くと、投資基準を変えることがよくあるが、それはあまりよくないことだ」と語る。「当社のポートフォリオは、多様な分野にわたっており、企業価値はそれぞれ異なる基準で判断している。企業価値の判断は多様化している。たとえば、Clear Channel傘下の地方ラジオ局は普通は衰退産業と思われているが、実際の利益率は良い」と語り、標準化された投資基準では、インターネット時代のメディアビジネスは判断できないとした。
「現在の不況はまだ続く」とBressler氏が語るように、米国では2008年秋のリーマンショク直後と比べると、不況が予想以上に長引くと話す人が増えた。それでも、インターネットの動画、コマース分野はまだ成長余地があるとする見方が大勢を占めていた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス