音楽データのストレージサービスは著作権侵害、利用主体はユーザーではなく提供会社に

鳴海淳義(編集部)2007年05月28日 21時34分

 東京地方裁判所は5月25日、携帯電話向けストレージサービス「MYUTA」に対し、JASRACが管理する著作権(複製権及び公衆送信権)に基づく差止請求権が及ぶと判断した。

 MYUTAは、同サービスを提供するイメージシティのサーバにユーザーが音楽データをアップロードし、携帯電話から聞くことができるようにするサービス。JASRACはイメージシティに対して、MYUTAには複製権や公衆送信権などの権利が及び、著作物の利用主体は同社と認められるため、JASRACの許諾を得た上で適法にサービスを開始するよう申入れていた。

 一方でイメージシティは、アップロードするユーザーと携帯電話で聞くユーザーが同一人物であることから、これらの複製や送信はユーザー個人が行っているものであり、著作権法第30条1項の私的複製に該当すると主張。4月20日に同サービスを終了し、JASRACの差止請求権が及ばないことの確認を東京地裁に求めていた。

 今回の判決で東京地裁は、MYUTAではイメージシティが貸与した専用アプリケーションソフトを用いて携帯電話用に変換された音楽ファイルが同社の管理・所有するサーバに置かれ、そのサーバから各会員ユーザの携帯電話に送信されていることなどから、行われる複製及び公衆送信の主体は同社であると判断した。

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