ユーチューブが著作権侵害で回答:「日本でのビジネス展開を検討」

 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)や社団法人日本映像ソフト協会(JVA)をはじめとする日本の著作権関連の23団体・事業者は12月19日、12月4日付けでYouTubeに送付した著作権侵害行為の事前防止策の要請について、回答があったと発表した。

 要請文には回答期限を12月15日と定めており、期限となる15日にYouTubeのCEO(最高経営責任者)であるChad Hurley氏、およびCTO(最高技術責任者)であるSteve Chen氏の連名で、FAXと国際宅配便により回答が送付された。

 回答の要旨としては、まずYouTube側から上級者を訪日させ、日本でのビジネス展開のためにも話し合いをしたい、またYouTubeは少人数で運営しているため、日程調整のため猶予が欲しいという内容があった。また、要請を受けた侵害防止の暫定措置については以下のように回答している。

  • YouTubeが掲載している著作権の尊重に関する注意事項を日本のユーザー向けに日本語で掲載する用意がある
  • 利用者認証については、現在でも特定の情報を求めているが、改善に努力する
  • YouTubeは、これまでも著作権侵害を含む利用規約違反を繰り返す利用者のアカウントを削除してきた

 また回答には、著作権侵害などについて削除をYouTubeに求める際の簡易ツールを持っていない場合は、このツールを提供したいという申し出もあったとしている。

 関連団体はこの回答を受け、12月22日に会議を開き、回答の評価と今後の対応について検討するとしている。

 関連団体は、YouTube上にテレビ番組をはじめとする膨大な量の日本の著作物が、著作権者、著作隣接権者の許諾がないままに投稿、掲載されている事態を重視しており、これまでも10月2日から6日までの5日間に、YouTubeに対し著作権侵害ファイルを削除するよう要請し、YouTubeは対象となった合計2万9549ファイルすべてを直ちに削除している

 12月4日付けでYouTubeに送付された要請文は、10月のファイル削除後も多数の映像作品が違法にアップロードされていることから意見交換会を開催し、著作権侵害行為を未然に防ぐ具体策の実施を要請したもの。その骨子は、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)による削除手続きがうまく機能していないことや、技術的手段や工夫により著作権侵害行為を排除するシステムを実現することなどとなっていた。

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