着信メロディの無断配信で初の逮捕者

 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)は11月27日、長崎県警が、同協会が著作権を管理している楽曲の着信メロディを無断で配信していた男性を、著作権法違反の疑いで逮捕したと発表した。着信メロディの無断配信者が逮捕されたのは今回が初めて。

 今回の事件は、佐世保市の45歳の男性がJASRACの管理楽曲を同協会に無断で携帯電話の着信メロディ用のデータをウェブサイトに掲載し、不特定多数にダウンロードさせていたというもの。

 JASRACは2002年6月、管理楽曲の着信メロディが男性が管理するウェブサイトに掲載されていることを確認。男性に対し、掲載を即刻中止するようメールおよび文書により警告を繰り返した。男性はこれらをすべて無視して侵害行為を継続したため、2003年2月、プロバイダ責任制限法にのっとり、ISPに着信メロディを削除させたという。

 さらに2003年7月、男性が旧サイトとリンクで結ばれている別のウェブサイトで同様の著作権侵害を行っていることを確認。再び警告したところサイトは2004年2月に閉鎖されたが、2006年4月に再開されていることを確認した。警告メールを送信したが侵害行為を継続したため、11月21日、長崎県早岐警察署に複製権(著作権法第21条)、公衆送信権(同23条)の侵害(同119条1号に該当)で告訴した。そして11月27日、長崎県早岐警察署生活安全課は著作権法違反(公衆送信権の侵害)の疑いで男性を逮捕した。

 JASRACは楽曲の無断利用を確認した場合、著作権手続きの必要性や利用許諾手続きの方法を案内している。しかし著作権侵害行為を中止するよう警告を繰り返しても無視するなど侵害の度合いが悪質な場合、また民事訴訟による解決が困難な場合には、作詞者、作曲者など著作権者の権利を守るためにやむを得ず告訴する場合があるとしている。

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