YouTube「氏名や住所の登録を必須に」--権利団体らが著作権侵害防止策を要請

 社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)や日本民間放送連盟をはじめとする23の著作権関係権利団体や事業者は12月5日、動画投稿サイト「YouTube」上に多数の映像作品が権利者に無断で掲載されている事態について、同サイトを運営するYouTubeに対し、著作権侵害行為を未然に防ぐ具体策の実施を書面で要請したと発表した。

 関係権利者らは10月2日から6日までの5日間、YouTube上に掲載されている約3万件の著作権侵害ファイルの削除をYouTubeに要請、YouTubeはこれを受けて、当該ファイルを直ちに削除している。しかし、その後も多数の映像作品が違法にアップロードされていることから、関係権利者は11月17日、意見交換会を開催し、今後の対応を検討した。その結果、YouTubeに対し著作権侵害行為を未然に防ぐ具体策の実施を要請することとし、12月4日付で書面を送付した。

 要請文の骨子は、デジタルミレニアム著作権法(DMCA)による削除手続き「Notice & Take Down」が大量の違法アップロードによりうまく機能していないため、YouTubeにおいて、技術的手段や工夫により著作権侵害行為を排除するシステムを実現することを要請するというもの。これに併せて、暫定的な対策として以下の3項目を要請している。

  • YouTubeのトップページに、「投稿者本人が著作権を有せず、権利者の許諾も得ないまま映像作品を投稿またはアップロードする行為は違法であり、民事・刑事上の責任を問われる場合があること」を日本語で掲示すること
  • 今後動画のアップロードをするユーザーに対して、氏名や住所などを登録させ、その情報を保持すること
  • 関係権利者の要求に応じてYouTubeが2006年6月以降に削除した動画コンテンツをアップロードしたユーザーのアカウントを無効にすること

 関係権利者は、要請文に対する回答期限を12月15日としている。また、YouTubeからの回答があり次第、再度意見交換会を開催して回答内容を検討するとしている。

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