ニューヨークのある小さな会社が米Microsoftを訴えた。理由は、欧州でMicrosoftが開始した新しい音楽ダウンロードサービスが、同社が20年近く前から保有する特許を侵害するというもの。
米E-Dataは、自社の特許の認可を主な業務としているロングアイランドの会社だが、その同社はMicrosoft、ISPのTiscaliとデジタル音楽会社のOD2の3社が、先頃欧州のいくつかの国で開始した新しい音楽ダウンロードサービスで、同社の権利を侵害していると主張している。E-Dataは、特許に関する判断が下されるまで、MSN Music ClubやTiscali Music Clubと呼ばれるこれらのサービスを停止するように要求している。
「これらの会社は、インターネットを通して、音楽をCDにダウンロードできるサービスを有料で提供している。我々は、このサービスが我々の特許を侵害していると考えている」と、E-Data広報担当者のGerald Angowitzは述べた。
米Apple ComputerのiTunes Music Storeの成功を受け、米MusicMatchからSonyまで、各社がなだれを打ってこの市場に参入しようとしている折、あまり知られていないこの会社の主張は、最終的に大西洋を挟んだ欧米の音楽サービス事業に影響を及ぼす可能性がある。楽曲のデジタル販売の利益は非常に薄く、予想外のライセンス問題はどんなものであれ、これらの会社にとって頭の痛い問題となる。
問題の特許は1985年に認められたもので、離れた場所にあるPOS端末に転送された情報を、物理媒体に転送することを対象にしている。米国の法廷は、コンピュータのハードディスクへ曲を保存することは特許の範囲外だが、店内のキオスクでディスクのような物理媒体を通して情報を販売することは、特許の対象になるとの判断を下している。
E-Dataは、音楽がインターネット上で取り引きされる場合、個人の家庭用コンピュータが遠隔キオスクに相当し、また音楽がCDまたはMP3プレイヤーに保存されると、物理媒体へ転送されたことになると主張している。
E-Dataが先週ドイツで起した訴訟について、Microsoft広報担当者は、まだ何も反応していない。E-Dataの特許は、英国、フランス、オーストリア、スイス、オランダ、イタリア、ルクセンブルク、ベルギー、スウェーデンの欧州9カ国でも有効である。
Angowitzは、E-Dataの特許が米国では今年1月に失効したため、この4月に開始されたAppleのサービスは、侵害訴訟の標的にならないと述べた。
この記事は海外CNET Networks発のニュースをCNET Japanが日本向けに編集したものです。
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