KDDIは2月16日、大阪府内において、高速無線通信技術「モバイルWiMAX」の実証実験の様子を報道陣に公開した。市街地をバスで走行しながら複数の動画を受信、再生し、移動中でも途切れることなく鮮明な動画が見られることを示した。また、テレビ電話をしながら携帯電話のネットワークとスムーズに切り替えられる様子も紹介した。
モバイルWiMAXとは、時速120kmの移動環境でも十数Mbpsの通信速度が出る高速無線通信規格「IEEE802.16e」を利用した技術。802.16eは2005年12月に米電気電子学会(IEEE)で承認されたばかりだ。KDDIのほか、携帯電話事業に新規参入するソフトバンクやイー・アクセスもモバイルWiMAXの活用に向けて検証を続けている。また、端末メーカーでは韓国のSamsung ElectronicsがモバイルWiMAX対応端末をすでに公開している。
KDDIは2005年7月より大阪府内で実験を続けてきた。3カ所に基地局を設置し、実際のデータを取りながらモバイルWiMAXの性能について検証したほか、既存の携帯電話回線であるCDMA2000 1x EV-DO(サービス名はCDMA 1X WIN)や無線LANとのハンドオーバー実験などを行ってきた。この結果、市街地でも実用化が可能な技術であることを確認した。なお、実験に利用した周波数帯は2GHz帯で、端末(PCカード型)、基地局ともにSamsung製のものを利用した。
実験のシステム構成図は以下のとおり。大阪府心斎橋にあるホテルで撮影した映像を、同じく大阪府福島にあるネットワークセンターに送信し、そこからモバイルWiMAXの基地局を通じてバスに配信する。同時に、ネットワークセンターから8種類のビデオオンデマンドコンテンツも送信する。バスの車内では受信した映像を大型モニターに映しだすとともに、無線LANを使ってPDA端末にも配信する。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」