業界標準化団体が、高い移動性を備える「WiMAX」規格の新たな仕様を策定し、チップメーカーやデバイスメーカーによる新製品開発の下地が整った。
「802.16e」と称される同仕様は2カ月前に完成しており、米国時間7日、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)によって最終的に承認された。技術のライフサイクルにおいて、標準化過程の終了は重要な転機であり、その後の普及に弾みを付ける契機ともなる。
MotorolaのWiMAXマーケティング担当ディレクターPaul Sergeantは、「通信事業者は単一のベンダーにみずからの未来を託すようなことはしない」と話す。「結局は1社から製品を購入することになるかもしれないが、選択肢は必要だと考えている。したがって、ほかのベンダーへ乗り換えても、機器間の相互運用性が保たれることの保証となる、標準仕様の存在が非常に重要になる」(Sergeant)
高速なデータ転送をサポートし、通信最大距離も大きいことから、WiMAXは次世代無線技術として有望視されている。
WiMAXの支持者らは、同技術が携帯電話ネットワークを補完し、地域的に配備されたWi-Fiネットワークに取って代わると見ている。電話会社は、みずからの携帯電話ネットワークの拡張に膨大な資金をつぎ込んでいるが、そのキャパシティには限界がある。
携帯キャリアは、みずからのネットワークを補強し、携帯ウェブサーフィンや電子メール送受信などを行うデータアプリケーションにより大きな容量を割り当てるためにWiMAXを利用できると、支持者らは考えている。Sprint Nextelなどは、同技術の検証を自社の研究施設ですでに行っているという。
また支持者らは、WiMAXが、オフィス内や家庭での使用を前提に開発されたWi-Fiに取って代わることを予測している。Wi-Fiの転送速度はWiMAXに匹敵するが、信号伝送距離は及ばない。すなわち、Wi-Fiを利用して地域全体を網羅する屋外ネットワークを構築するには、何百というアクセスポイントを設置しなければならなくなるのだ。
この記事は海外CNET Networks発のニュースを編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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