gooを運営するNTTレゾナントとジャストシステムは10月27日、日本語入力システムの提供について提携し、日本語入力システム「ATOK」の技術や機能を盛り込んだ新検索サービス「goo サジェストβ with ATOK」を開始した。
この検索サービスは、検索ワードを入力する際に、ひらがなを入力した時点で検索しようとしているワードの候補を、漢字や顔写真などの補足情報と共に表示する。当初は、gooのウェブ検索で検索されるキーワードの上位1000語の内で約1割を占める「人名」をはじめ、地域情報の「ランドマーク」、さらに「四字熟語」の各辞書から対応する。
NTTレゾナントのサーチプロダクトマネージャーである稲家克郎氏は、「思い通りの検索結果を得られないことが誰でもあると思う。それを検索エンジンの精度のせいにしてしまいがちだが、正しい日本語を入力していないためにそうなることも多い」と話した。英語では、検索ワードの「入力」から「検索」するまでに1ステップで済むが、日本語の場合はこの間に「変換」という作業が入るので2ステップになる。この変換では、「ラーメン」と「拉麺」、「年賀ハガキ」と「年賀葉書」など表記揺れがあるほか、「英和辞典」と「英和事典」など同音異義語による誤った表記、「経済産業省」と「経産省」など略称といった独自の問題があるというわけだ。
そこで、人名を例にとると「スーパー人名辞書」として約2万9000語の辞書が登録されている。たとえば、「はせがわ」と入力した場合、俳優の「長谷川京子」や野球の「長谷川滋利」など、その候補となる人名と属性を即座に表示する上、候補にカーソルを合わせると顔写真やプロフィールなども表示し、ユーザーが望む検索結果を導きやすくしている。こうした機能は、ATOKの文脈処理や校正支援、推測変換、電子辞書などの技術で実現された。
goo サジェストβ with ATOKのサイトにはAjaxなどの技術も使っているが、利用できる環境は現在Windows のInternet Explorer6.0 SP2以上に限られる。今後はその他の環境にも対応させていく。正式版への移行はなるべく早く進める意向だ。しかし、もっとも難しいのはキーワードを入力した後に、検索ワードの候補を表示させるタイミングだと言う。ブラインドタッチで早く入力できる人もいれば、遅い人もいるので、どのタイミングで候補を表示させるのが快適なのかをベータ版でじっくり研究する。
このほか、12月にはgooで2005年に検索されたワードのランキング上位を「goo流行語辞書 for ATOK」として日本語パワーアップサイト「ATOK.com」を通じてATOKユーザー向けにダウンロード提供する。ATOKユーザーは、この辞書をインストールすれば、最新の流行語に関する辞書機能を無償で利用できる。
さらに、今後発売するATOKでは、gooの検索キーワードランキング上位の語彙をATOK変換辞書として反映していく予定だ。
日本語に注力してきたが両者が、こうした取り組みを共同で行うことで、「gooを使えば使うほどATOKが賢くなり、ATOKが賢くなるとgooも賢くなるというシナジー効果が得られる」(ジャストシステムの取締役経営企画室長 鍋田毅氏)とし、「日本人にとってもっと使いやすい検索が提供できる」(NTTレゾナントの取締役ポータル事業本部副本部長 大町雄一氏)と言う。
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